あむりたのしずく

一雨ごとに、秋が深まっていきますね。

庭にあふれる金木犀の香りが、とても幸せな気分にしてくれます。


明日、10月5日は新月です。

月に感謝を捧げ、そのエネルギーを意識しながら、過ごしたいと思います。




ある日の体験です。


子供たちを皆　送り出して、一人で街中を歩いていた時

さまざまな年齢、性別、職業の方々と、次々にすれ違っていきました。


「ほんとうに、いろいろな方がいらっしゃるんだなぁ。」

「大変そうなお仕事だなぁ。お疲れ様です。」

「私にはとてもできないことを、してくださっている。ありがたいなぁ。」

そんな思いがつぎつぎに湧いてきて、通り過ぎるのを、見ていました。


すると突然、見えている世界が、びびびっと振動し

3D映画を裸眼で見ているような、映像に切り替わりました。

多方向からの映像を、一度に眺めている・・・そんな感じです。

ちょっと輪郭はぼんやりしているけれど、その存在感はリアルなものでした。


そして、一瞬で体感したことがありました。

それは、すべての方々が、大いなる集合意識、大いなる一つの

細胞そのものである、ということです。


お一人お一人が、ご自分の場所で、ご自分の役割を懸命に果たしている。

良し悪しも、高低も、むだも、何一つなく、全てが完璧に働き、つながっている。

この一瞬一瞬に、それぞれが行う表現・創造が、

大いなる一つを、絶え間なく刺激し、はぐくんでいる。


そんな映像が私の内と外で展開されていき、私は全身で理解したのでした。


その体験の後は、ますます行きかう人々が、皆、よりいっそう愛おしくなり

その存在が、ありがたく、まばゆく感じるようになりました。



ところが、そんなステキな体験をした同じ日に・・・


末っ子の海ちゃんを、幼稚園にお迎えに行くと

「お友達とお約束したから、これから公園に行く！」と言います。


今日はこの後、予定が詰まっているので、また今度ね・・・と

大人の事情を説明しても、海ちゃんは全く受け入れず

泣いて暴れて座り込んで・・・出来る限りの抵抗を試みます。

なだめたりすかしたり、こちらも対処を試みますが、無効！


先の予定に気を取られた私は、時間に追われ、「じゃあ、ママ先に行くからね！」

と海ちゃんを置いて、さっさと歩き始めました。


ぷりぷり、つんつん怒ったまま、先を歩く私と

泣きべそで「公園行きたい～！」と訴えながら、

仕方なく何歩か進んでは、やっぱりしゃがみこむ娘。


そんな時、向こうからこちらへ歩いてきた年配の女性がいました。

次の瞬間、私はその方の目を通して、私と娘を見るという、不思議な体験をしました。

はっと我に返り、私は思わず、その女性から顔をそむけました。

恥ずかしくて、目を合わせられなかったのです。


内なる声が、はっきりと響きました。

「自分の目で見て、恥じることのない態度・行いを、とれていますか？」


私はすぐさま、娘のもとへ戻り、自分の態度を謝りました。

そして、彼女の感情が表現しつくされるまで

ギュッと抱っこして、背中をさすっていました。


3分もそうしていると、娘は「もういい！」と立ち上がり

スキップしながら「ママ、早く帰ろう～！今日、幼稚園でね・・・！」と

元気いっぱい、楽しくお話ししながら、家路につきました。


一人きりの時は、崇高なビジョンを見たり、至福感とつながれたりしても

家族と一緒のときは、なかなか・・・（笑）


感情的になることもあるし、思考も活発になりやすく、

「今ここ」にいられなくなることも、しばしば。


でも、家族との、こんな些細な日々の体験の中での気づきこそが、大切であり

素晴らしく、ありがたいことなんだなぁ～と、改めて感じた、一日でした。