蝗の大群、中国の新たな脅威アフリカトビバッタ
アフリカで大量のサバクトビバッタが発生。 『孤独相』の場合は、背景に溶け込むように体色が緑や茶色。 大量発生し集団の中で育った『群生相』は、黒や黄色に変身。 広範囲に移動し、移動先の食物を食い尽くす。 東アフリカ地域の被害は、ケニアで7万haの農地が被害、エチオピアで穀物の40%くらいが失われ、ソマリアでは、家畜用の草がほとんどなくなってしまったと伝えられる。 FAO(国連食糧農業機関)は、さらに2,000万人に被害が及ぶと警告した。 2018年のサイクロンによる大雨により、アラビア半島のイエメンとオマーンの国境周辺にバッタが大量発生。 それが、翌2019年、サウジアラビア、紅海沿岸の国々に飛んでいって繁殖した。 アフリカ東部では2019年10月にソマリア北部やエチオピアで洪水が発生、12月にはサイクロンが直撃し、バッタの大量発生に繋がった。 今回の大量発生でサバクトビバッタは、アフリカから紅海を飛び越え、アラビア半島へ。 イエメンでは、蝗害に加え、内戦と内戦により予防接種が困難になったペストの拡大などにより1,500万人が飢餓状態にある。 アフリカトビバッタは、ペルシア湾を飛び越えイランから2月にパキスタン、インドに到達。 インドと国境を接する中国の脅威となった。 アフリカでバッタの大群による「蝗害」第2波発生中国も警戒―仏メディアRecord China 2020年5月1日 記事は、新京報による報道として、今年の第2波となるバッタの異常発生が東アフリカ各地で起きており、その数は第1波のおよそ20倍であると紹介。 アフリカ地域で少なくとも2000万人に影響が出ると伝えた。 そして、中国農業科学院植物保護研究所の張沢華(ジャン・ザーホア)研究員が「6月ごろに中国大陸もバッタの高リスク期に入る」との見方を示したことを紹介した上で、国家発展改革委員会、農業農村部、国家糧食・物資儲蓄局など11部門が先日連名で今年の食糧安全性確保に関する通知を出し、新型コロナウイルスの影響で食糧供給が滞り、社会の安定が揺らぐことのないようにするため5つの「重点任務」を打ち出したとしている。 ― 引用終り ― ■5つの重点任務・食糧生産の総合能力強化・栽培面積と生産量の基本的な安定確保・食糧備蓄の安全管理強化・食糧の市場や流通の管理徹底・食糧の緊急対応能力強化 サバクトビバッタは、1,000m以上の山は寒冷であるため越えられないと言われているが、生態は十分に把握されていない。 今回も飛距離から飛び越せないだろうと言われていたペルシア湾を集団を保ったまま飛び越えた。 中国は警戒を怠ることはできない。 中国の穀物が被害を受けると、世界的な穀物価格が暴騰すると想定される。 「一瞬で何もかも奪う」アフリカの大地を食い尽くす蝗害バッタ博士が解説2020/02/20 FORBES JAPAN 米国も安泰ではない。 オオスズメバチが2019年末に米国に上陸したことが確認された。ミツバチが被害を受けることで、農作物の生育に影響が出る可能性がある。 外来種オオスズメバチが米国上陸ワシントン州警戒強める2020.05.04 CNN.jp 米ワシントン州で昨年末、ミツバチを襲う侵略的外来種のオオスズメバチが米国で初めて目撃された。 ただでさえミツバチが激減している中、冬眠から目覚めたオオスズメバチの女王バチが活動を始める時期を迎え、州は警戒を強めている。 養蜂農家からは、頭をもぎ取られたミツバチの死骸が大量に見つかったという報告が寄せられている。 ― 引用終り ―