◆草木染めの絞り模様~5~色々な模様の可能性
◎絞りと複合技法
絞りと他の染色技法と併用することによって模様の表現が広がります。室町時代に流行ったといわれ『幻の辻が花』という奇妙?なネーミングで1時期もてはやされ着物模様になった辻が花は、絞りとカチン描き(墨の線)と顔料による彩色で模様を表現しました。
墨の線を先に描いてから絞って染める方法と、先に絞って染めてから白い部分に模様を描く方法があります。後で模様を描くほうが色や線は美しく仕上がります。
◎素描き模様
絞りを施して染めた後に、手描きの模様を顔料や墨で描くことは普通に行なわれます。(ココは草木染めの説明なので、化学染料を使って描くことやインクのプリントは除いています)
グレーと黒の絞りの上に手描きの墨絵
グレーと黒の絞りの上に手描きの金彩模様
◎絞りと型染めとロウケツ染めと友禅染め技法
草木染の絞りの上にロウケツ技法で模様を染めることも可能です
白とアカネ染めの絞りの金魚を藍染め (藍染めも草木染めに分類します)
藍染めにもロウを使った模様は染めますが、同時に加熱浸染は出来ません。
藍染めにササユリの手描きロウケツ模様
藍染めに手絞りのクラゲ模様
※このページの全ての画像は当工房のオリジナルです。無断転用を禁じています。 型染めや友禅染めの場合、白生地の上に糊を置いて糸目の線や面を伏せて白く仕上げることは出来ます。しかし草木染めの色の上に米糊を置く場合は、ナトリウムや鉄分などが混入されていないことを確認しないと、下色と反応してしまうことがあるので注意が必要です。
絞りについては、京都の絞りや有松鳴海絞りなどの技法も検索してみると参考になります。化学染料と天然染料では染めの作業時間や絞り方が違うので、手間の掛かる草木染めの絞りはあまり行われていないようです。
しかし、手絞りの模様のギザギザは手で描いた線とは全く違う妙味があるし、染め重ねられた草木の染め色の深さは重厚な魅力があります。水の中に含まれる成分によって、様々な変化が起こるのが草木染です。それが難しいことでもあり面白いところでもあります。
それをかっこよく『草木染めは水のアート』と呼ぶこともあります(^^)水に含まれる成分の反応する理論が分からない場合は、神秘的という情緒的表現をする場合もあるようです。
草木があって、人々が暮らしていれば『いつでも、どこでも、だれでも、草木染めが出来る』
『針と糸があれば、模様をつけられる』という実にシンプルな『草木染めの可能性』って沢山あると思えるの、良いなぁ~(^^
下の画像は全て、草木染め手縫いの絞り模様
と・・・染色暦47年、年の暮れに、しみじみと思うのでありました(^^
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