黄色系の色が染まる天然染料は多いが、ウルシ抽出液は木綿に鮮やかで濃く染まり耐光堅牢度も良い。一方でコガネバナは絹には良く染まり耐光堅牢度も非常に良いが、木綿にはアルミ、銅、鉄媒染の3種類とも濃く発色しない。
現実として絹と木綿ではウルシ染めとコガネバナの染めは、それぞれの繊維に使い分けるのが良い。そのデータを並べて比較をしてみた。2020年2月実施、石川県工業試験場に依頼した試験結果より、とりまとめ。
ウルシ染め、絹 アルミ媒染:3級未満 銅媒染:3級以上 鉄媒染:3級以上
ウルシ染め、木綿 アルミ媒染:3級 銅媒染:3級以上 鉄媒染:3級以上
コガネバナ染め、絹 アルミ媒染:3級以上 銅媒染:3級以上 鉄媒染:3級以上
コガネバナ染め、木綿 アルミ媒染:3級 銅媒染:3級以上 鉄媒染:3級
絹は浜ちりめん、木綿はローン60番 抽出は80℃以上60分。媒染は室温20分以上 染めは室温から加熱80℃以上30分以上。絹は媒染+染めを各2回、4工程。木綿は先媒染+染め+媒染+染め+媒染の5工程。
実際にはコガネバナの木綿色は画像より薄い色。耐光堅牢度の試験は染色条件によって同じ結果にはならないので級数を保証するものではない。抽出、染色、媒染の時間や方法は現在も改良中。
ウルシ材の染色用チップは外皮を取り除き、シロタ部分や枯れたりした茶黒い部分を除外。年輪が細かく黄色い木地心材のみをチップにするか木工旋盤で細かく削り、しっかり乾燥させて保存するのが良い。
ウルシの場合は産地であれば手に入るが、コガネバナは家庭で栽培して増やすことができる。2年ほど育てて根が太くなったものを水洗いし、細かく切り分けて乾燥、密封して保存しておくと長期にわたって使用できる。
試験結果の詳細リクエストにお応えしました(^^ どちらも水道水で煮出して染めることができ、耐光堅牢度も良く使いやすい染料です。
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