鑑賞日:2012年11月4日(日)10:00開演
入場料:¥3,500
【主催】松竹
METライブビューイング2012-13
ドニゼッティ作曲
歌劇「愛の妙薬」
(イタリア語上演/字幕付)
会場:名古屋ミッドランドスクエアシネマ
(スクリーン3)
指 揮:マウリツィオ・ベニーニ
演 出:バートレット・シャー
美 術:マイケル・ヤーガン
衣 装:キャサリン・ズーバー
合 唱:メトロポリタン歌劇場合唱団
管弦楽:メトロポリタン歌劇場管弦楽団
出演:
アディーナ:アンナ・ネトレプコ
ネモリーノ:マシュー・ポレンザーニ
ベルコーレ:マリウシュ・クヴィエチェン
ドゥルカマーラ:アンブロージョ・マエストリ
他
(MET2012年10月13日公演録画)
感 想:
新国立2012/2013オープニングは重目の「ピーター・グライムズ」だったが、ニューヨーク・メトロポリタンのオープニングは打って変わって喜歌劇「愛の妙薬」。1ヶ月も経っていない公演を早々に観られるとのことで名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマへ。
180人定員のスクリーンで観客は1/3程度。コーラとポップコーンを食べながら広々とした座席で前の観客の頭に悩まされることもなく、ライブビューイングならではのアップ映像で楽しめる。
今回演出は新制作となっているが、1800年初期のイタリアの田舎との設定でオーソドックスなもの。ただアディーナの衣装が赤いスカート、白のブラウスに乗馬用のジャケットで黒のシルクハットと違和感のある目立つ衣装。
アディーナは農場主の娘で農夫たちに本を読み聞かす等インテリジェンス豊かで少々お高く止まっている設定が通常だが、今回はカルメンばりの演技で男たちを引っ張りまわし、婚礼の宴ではチキンを手づかみで食べ、最後は自らネモリーノを野原へ引っ張りこんで寝取ってしまう肉食系。これはネトレプコのイメージに合わせたのか?
休憩中の舞台裏の映像で舞台横のキッチンでチキンとパスタを作っている様子が映し出され、キッチンまで用意されているとは流石MET。
歌の方は皆素晴らしく、ネモリーノ役ポレンザーニの「人知れぬ涙」は完璧な歌声で最後をPPに終わらせ拍手とブラボーの嵐(残念ながらアンコールは無し)。休憩時のインタビューでネトレプコとの共演を聞かれ「大変だ」との発言で、2重唱など音量を合わせるのはさぞかし大変。そのためか、内気な役設定にしては元気すぎる歌声だったとも言えるでしょう。
ベルコーレ役クヴィエチェンも張りのあるバリトンで軍人らしい演技も格好いい。ドゥルカマーラ役マエストリはネトレプコが小さく見えてしまう程の大男でファルスタッフが十八番とのことで、演技含め楽しめた。
最後は愛の妙薬を皆が買い求め、その瓶を舞台前に並べたのは、観客への愛のプレゼントとのことか?
カーテンコールでは、ネトレプコが登場すると客席はスタンディングオベーション。良くも悪くもネトレプコ中心の「愛の妙薬」であり、またぜひ生でその歌声を聞きたいが、何時の事か。
MET今シーズンはフレミング、ポータの「オテロ」、カウフマンの「パルシファル」、ディセイのクレオパトラ等楽しみな公演が目白押しで、機会が合えばまたライブビューイングを観に行きたい。
End