テーマ:好きなクラシック(2283)
カテゴリ:オペラ
鑑賞日:2012年11月10日(土)14:00開演 入場料:¥5,000 D席(2階K列) 【主催】(財)日生劇場、読売日本交響楽団、東京二期会 日生劇場開場50周年記念特別公演 読売日本交響楽団創立50周年記念事業 二期会創立60周年記念公演 アリベルト・ライマン作曲 歌劇「メデア」 (全2部:ドイツ語上演/字幕付) 会場:日生劇場 指 揮:下野竜也 演 出:飯塚励生 美 術:イタロ・グラッシ 衣 裳:スティーヴ・アルメリーギ ドラマトゥルク:長木誠司 演出助手:家田淳 管弦楽:読売日本交響楽団 出 演 メデア:大隅智佳子 メデアの乳母ゴラ:清水華澄 メデアの夫イヤソン:与那城敬 コリント王クレオン:大野徹也 コリント王女クレオサ:山下牧子 隣国同盟の使者:彌勒忠史 感 想: 今東京二期会で脂が乗っている大隅智佳子さんと清水華澄さんが一緒に出演とのことで急に秋が深まった寒空の中、有楽町の日生劇場へ出かけた。 オケピットは弦楽とハープでぎっしりのため、舞台上手に金管、下手に木管が階段上に座り、最上部にドラや太鼓のパーカッションが並ぶ。 舞台中央は青い床の上に白い円形の台が置かれ、その中央手前が上下、階段で地下への入口になったりする。その左右に廊下、後部は場面毎に3階建の廊下や宮殿の階段、柱が配置される。 音楽に合わせ黒の衣装に白い仮面をつけた数人の踊りが影のように入る。衣装はギリシャ系のコリントは白主体、非ギリシャ系コルキスのメデアは鮮やかな赤いドレスで、メデアがギリシャ文化に馴染もうとする場面で白のマントが掛けられ、諦める場面でそのマントを投げ出し分かりやすい。 オーケストラの音楽は歌とは調性せず、各楽器が個別に短いフレーズで演奏され、効果音の様に使われる。 弦と管も同時に演奏されることが少なく、音量バランスに違和感はなかった。 そして歌の方はさらに短いフレーズで、一文毎に異なったメロディーとなり、調性など全くない。プログラムにも「過去の音楽教育を受けている歌手は2小節以上続けて歌えないだろう」と書かれている通りの難曲。 大隅のブログにも稽古のストレスで発熱と書かれ少々心配していたが、ほとんど出ずっぱりに関わらず、低音から高音まで丁寧に、fではないのに、何度も鼓膜が振るえる歌声。この様な難曲の場合、歌いにくい部分を音量で誤魔化す様な歌い方もよく聞かれるが、その様な部分は全くなく、淡々と正確に音楽を表現することで、よりメデアの感情が受け入れやすくなり最後の子殺しも真っ当に思えてしまう。 ゴラ役の清水華澄の歌声も素晴らしく、各場面で物語を暗示する。使者役の彌勒忠史のカウンタテノールも音量的に全く劣らず、その歌声からギリシャの高貴な力を表現する。 以前この日生劇場で「コジ・ファン・トゥッテ」を聞いた時は残響がなく、音楽が遠くに聞こえた記憶があるが、今日は全くその印象はなく、歌い手の技量の差なのでしょう。 カーテンコールには、作曲者のライマン氏も登場し、その表情、仕草から本日の演奏に満足されたよう。 全体で4場あり連続演奏で2時間に収まるが、今回は2場終了の1時間で25分の休憩が入る。聴いている方もその音楽により疲労するため、集中力維持のため途中休憩が入るのは助かった。 日本初演の現代オペラを聴け、音楽の幅の広さを知ることが出来た。そして大隅智佳子さんの凄さを認識できたオペラだった。 End お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.11.12 20:36:22
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