大阪・藤井寺市:赤面山(せきめんやま)古墳は残った。
藤井寺市の古墳や神社を市民ボランティアの案内で廻って来た。■道明寺天満宮■数多くの古墳を見て回ったが、特に印象に残ったのが「赤面山(せきめんやま)古墳」。■藤井寺市:赤面山古墳は残った。■大阪府松原市と奈良県天理市を結び、名古屋市へとつながっていく西名阪自動車道の脇下を通る北行きの側道です。西名阪自動車道の高架下に小さな土の高まりがあります。なんと、高速道路の下にまたがって古墳があります。この古墳の名は赤面山(せきめんやま)古墳といいます。一見したところでは単なる土の山のようにも見え、うっかりすると見過ごしてしまいそうです。この建設工事は、昭和40年前後の時期でした。古代史ブームよりも6,7年前のことです。当時としては、この古墳の保存にかけたエネルギーのすごさを感じます。側道を曲げるために買収用地を増やしただけでなく、もう一つ設計上の尽力の跡を見ることができます。 写真は、高速道路の高架の下側と橋脚の様子です。右が本来の設計通りの造りです。左は、古墳の位置に橋脚がぶつかるため、橋脚の間隔を長くして、古墳を完全にまたぐように造られています。長くなった分、強度を高めるために、コンクリートの橋桁の下部にアールを付けて、この部分だけ特別な造りになっています。一部に特別な設計をするということは、当然、余分に手間と費用がかかるということです。このように手厚く保存の措置がとられた赤面山古墳ですが、本来どのような古墳だったのか、実は、よくわかっていなかったのです。赤面山古墳は、古市古墳群の現存古墳の中では最も小規模なものの一つですが、そうであるが故に、古墳の保護・保存を考える上で象徴的な存在となっている古墳でもあります。高速道路という、都市化や現代インフラを象徴する建造物と、見事に共存できた貴重な例として、もっと注目されてよい古墳だと思います。 【赤面山古墳】近鉄南大阪線・土師ノ里駅から南西へ約1.1km 徒歩約17分 ■古市古墳群■東西約2.5キロ、南北4キロの範囲内に、誉田御廟山古墳(伝応神陵)など墳丘長200メートル以上の大型前方後円墳6基を含む、123基(現存87基)の古墳で構成される古墳群である。古墳造営には豪族の土師氏などが関与していたと考えられている。・・・・・・・・・・・・・・・・ にほんブログ村・・・・・・・・・・・・・・・・