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私訳・源氏物語

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April 6, 2010
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カテゴリ:エッセイ

 その年の師走。メーカー主催の忘年会で、M先生は上機嫌でした。

いつものように、ご自慢の息子さんに対して
「ライバルとして負けたくない」と豪語しました。

『そんな事は先生個人のことなのだから、息子さんと二人で競い合っていればいい。
それを私たちにまで言う必要などないのだ』

と思いながらも、私は息子さんに対する嫉妬を、
心の中に感じないわけにいきませんでした。先生の奥さまにではなく、
中医学レベルで先生に認められている息子さんに対する嫉妬でした。

 しかし先生は本当のライバルが誰であるか、現実を把握していなかったと思います。

 先生が自慢していた高価薬の売り上げで、
うちが先生の薬局を凌いだことを知ったのは、
皮肉なことに御機嫌だった忘年会の帰りのタクシーの中でした。
送って行った担当のセールスが話したのです。

 翌日の先生は不機嫌で、その上卑屈でした。

 私は先生の、自分しか見えない狭量な態度に会うたびにがっかりし、
先生であるならば、もっとどっしり構えていてほしいと思いましたが、
一方では私たちを侮った報いだ、とも思いました。






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最終更新日  March 7, 2017 06:53:45 PM
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