782786 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

水彩画紀行  スペイン巡礼路 ポルトガル 上海、蘇州   カスピ海沿岸からアンデスの国々まで

水彩画紀行 スペイン巡礼路 ポルトガル 上海、蘇州   カスピ海沿岸からアンデスの国々まで

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

水彩画人 俊介

水彩画人 俊介

Freepage List

Spain Pilgrim road


SpainPilgrim road 2


スペインの西の果ての岬の町


スペインの忘れえぬ人々


スペインの忘れえぬ人々 続編


巡礼路で出会った人々


嫁ぐ娘への懺悔録


人の心は水彩画


ヨーロッパ世界の裏の恐ろしさ


嘘のような本当の話


イラクの恐ろしい現実


未来を奪われた子供たち


逆説「大好きなアメリカ人」


倉敷の美観地区と美味しい店


ユーモアのある家庭


シルクロード紀行


カスピ海の国アゼルバイジャン


アゼルバイジャンの女流陶芸家


シルクロードの悲劇


カスピ海の女人の奔放さ


ロシアの華麗なバレー団 TODES


ロシア料理店への招待


カスピ海の夏の海


アゼルバイジャン気質


不思議な少女との出会い


カスピ海美人に招待される


アゼルバイジャンの黄昏時


白いロールスロイスの花嫁


豊富な食材で料理を楽しむ


恋人たちの季節


テニストーナメント参戦記


カスピ海の夜の出会い


安くておいしいコーカサス料理


ある春の一日


俳句は詩的な日記帳


美しい言葉 風花


桜の城 高遠


俳句を始めたい方


短歌 青春挽歌


風鈴や亡き人影の窓よぎる


兄と妹の物語


父と娘の物語


青春の光と影 恋


神さまは存在する!


娘へ贈る結婚の言葉


モーツアルトが大好き


珠玉のモーツアルトの作品より


水彩画紀行


風の盆 越中八尾の美しい町


風の盆 妖艶な夜の舞


風の盆 深夜の町流し


Category

Favorite Blog

『クマムシ?!』(復刻) New! Mドングリさん

『日本の自然をいた… New! jiqさん

慣用句「あ」202… New! 風鈴文楽さん

第74回藤沢市展 yhiro8888さん

尊敬出来る先輩の通… カーク船長4761さん

NFTデビュー‼ Temp sec-9さん

霰粒腫 NEXTPEAKさん

三文小説 mizu-sinさん
萌野の短歌日記 萌野さん
宇宙 o3124aさん

Keyword Search

▼キーワード検索

Archives

2024/06
2024/05
2024/04
2024/03
2024/02
2008/05/29
XML
カテゴリ:家族の肖像
さて、かけがえのない「ふたり」の関係の続編。

私の場合のそんな「ふたり」は、まずはわが娘のこと。

「お父さん、大好き」と言え!   「大好き!」

これが父親と娘が会うたびに交わす合言葉だった。



銅版画  「遠い日」
SANY3007.JPG



嫁いだ娘が父親の言うことを、まだ何でも聞いていた頃のこと。

倉敷市玉島の港に月が隠れて満潮の夜だった。

港の石垣にへばりついたような小屋に灯りがともる。

「あっ!今夜は居る!」

灯りを見つけたら一目散、家に帰って娘たちとかけつけた。

娘も息子も6年間、1年360日、毎日、剣道を励んでいた。

寒風吹き抜ける体育館で母親たちはじっと見守らねばならない。

見ているよりした方がいいと始めたかみさんもいつしか剣道2段。

先生と母親の厳しく優しい薫陶を受けて、娘はすくすくと育った。


羽ばたき

港の小屋には会社を退職したおじさんとおばさんが待っていた。

「こんばんわ」 「やあ、きたか。ほらたくさん来てるよ。」

ひたひたと押し寄せる満潮の海に、四つ手網が下ろされる。

裸電球が光っている網の上を、夜光虫のように輝く生き物が数匹。

「ほら、いまだ!」  子供たちが歓声をあげて網を引き上げる。


やしの殻を割ったひしゃくで網を叩くと、それがひしゃくに入る。

6,7cmほどの小さなベイカと言う烏賊。

ベイカは捕らえられるとすぐに死ぬので、踊り食いは、

岡山の料亭でもでない珍味とおじいさんは言っていた。

持参した一升瓶の黄桜を片手に、子供に目を細めるおじさん。

酒の美味しさは銘柄ではなく、人と場所で決まるとか。

生きたまま、醤油をかけて喉に入れると、とろけるようだった。



絵は、その玉島港を見下ろす良寛が住んでいた丘の上。

息子は剣道少年団の主将、いつも母と水戸や群馬の大会へ、

娘と父親はお留守番という日には、よくこの丘に登った。


絵を描いている間、お転婆娘はいつも草スキー。

ダンボールの紙を尻に敷き、笑い転げながら、

何回も、何回も、転げ落ちていった。



「幸せを 絵に描きしか 春の野辺」



玉島の丘



続く。



デザイン・アート部門のプログランキング参加中。
クリックして応援してくださいね。


プログランキング









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012/01/26 11:01:13 PM
コメント(8) | コメントを書く
[家族の肖像] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
別の画像を表示
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、こちらをご確認ください。


Re:かけがえのない「ふたり」続編(05/29)   jiq さん

「遠い日の」「娘とふたり」潮の満つ (2008/05/29 05:14:29 PM)

Re:かけがえのない「ふたり」続編(05/29)   ピカさん65 さん
とても素敵な絵ばかりですね。灯台のえがとても好きです。省略が上手く出来て素晴らしいですね。玉島の丘も素敵です。
いよいよ小説家に転向?ですか。 (2008/05/29 08:49:34 PM)

Re:かけがえのない「ふたり」続編(05/29)   露草104 さん
短編映画を観てます~♪

その映画は昔の洋画のように・・・テンポが速いですね・・・・

良寛さんの住んでいた丘・・・・は・・・好きな絵です・・・♪

応援も♪
(2008/05/30 04:02:52 AM)

Re[1]:かけがえのない「ふたり」続編(05/29)   水彩画人 俊介 さん
jiqさん
>「遠い日の」「娘とふたり」潮の満つ


 幸せを 絵に描きしか 遠き春
(2008/05/30 01:24:17 PM)

Re[1]:かけがえのない「ふたり」続編(05/29)   水彩画人 俊介 さん
ピカさん65さん
>とても素敵な絵ばかりですね。灯台のえがとても好きです。省略が上手く出来て素晴らしいですね。玉島の丘も素敵です。
>いよいよ小説家に転向?ですか。

  絵に描いたような幸せと言うけど、いまにして思えば、

  幸せを絵に描いていたと、いまさらながら、痛感します。

  その時は、幸せとか認識していなかったけど、ほんとに、

  何の憂いもなく、喜びを全身で感じていた娘と

  それを何の不思議もなく見つめていた父親でした。

  もっと、自覚するべきだったと、今、改めて惜春の思いです。


   
(2008/05/30 01:41:00 PM)

Re[1]:かけがえのない「ふたり」続編(05/29)   水彩画人 俊介 さん
露草104さん
>短編映画を観てます~♪

>その映画は昔の洋画のように・・・テンポが速いですね・・・・

>良寛さんの住んでいた丘・・・・は・・・好きな絵です・・・♪


  昔、一年365日、俳句か短歌で日記をつけていたことがあります。

  忘れっぽいのに、1句残っていれば、それから
  たくさんの事が思い出されて、それをやった一年は、
  前の年の数倍、豊かな日々に思えました。
  今ある自分だけでなく、過ぎ去った日々の自分も、
  自分の一部なら、書き留めておくほど、自分の人生は
  紆余変転の喜怒哀楽の豊かさゆえに悔いなしと
  思えるようです。よかったら一年試してみてください。


  
(2008/05/30 01:48:19 PM)

Re[2]:かけがえのない「ふたり」続編(05/29)   露草104 さん
水彩画人 俊介さん

>  昔、一年365日、俳句か短歌で日記をつけていたことがあります。

>  忘れっぽいのに、1句残っていれば、それから
>  たくさんの事が思い出されて、それをやった一年は、
>  前の年の数倍、豊かな日々に思えました。
>  今ある自分だけでなく、過ぎ去った日々の自分も、
>  自分の一部なら、書き留めておくほど、自分の人生は
>  紆余変転の喜怒哀楽の豊かさゆえに悔いなしと
>  思えるようです。よかったら一年試してみてください。

是非・・・試してみたいですね。
短歌か俳句なら・・・・続きそうです。

手帳に書き留めれますから・・・♪


>  
-----
(2008/05/30 10:40:45 PM)

Re:かけがえのない「ふたり」続編(05/29)   msk222 さん
郷愁の日記ですね。更新が楽しみです。

(2008/06/01 07:56:47 PM)


© Rakuten Group, Inc.