「湾岸湾湾」
よくよく考えると、 前頭葉に、エセ理性が宿ってからというもの、 東京での越年は、初めての気がしたので、 「人がいない東京」に、胸をときめかせ、 別段、撮るものもないのに、 閑散とした、新宿駅などに、 ビデオカメラのレンズを向けて、 ほくそえむのだが、単に、深夜3時か、 早朝の風景にも、おもえてきて、 日付入りでなれば、価値がないような気もしつつ、 それでも、ガランとした感じが、 きゅんと、胸にくる。 湾の底を列車で、通り抜け、 湾岸に辿りつくと、若者が、 WANWAN、熱気たぎらせ、 身をすりよせて、唸りつつ、 カウトダウン10秒前に、 滑り込み、06年は、電子音とともに、 幕を開けたのでした。