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テーマ:洋楽(3286)
カテゴリ:70年代洋楽
そのイメージといったら、ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーの二人をから成る"オシャレで緊張感の高い"音楽を追求するユニット、といった所か。 もちろん、それはそれで間違いじゃないのだが、あくまで後期以降のハナシである。 前期、特にデビュー時の彼らは、ライヴもやるごくフツーのバンドであり、音楽自体もそれほど構えたものじゃなかった。 '72年に発表された1stアルバム「Can't By A Thrill」は、"いわゆるスティーリー・ダン"とは少し違ったイメージを持たせる内容で、メンバーにジェフ・バクスター(※)がいる事からも分かるように、その音楽は意外にもウェスト・コースト色があったりする。 2曲目にあたる「Dirty Work」はまさにそんな曲。 このアルバムは全篇通して非常に完成度が高く、実際「Do It Again」(全米6位)や「Reelin' in the Years」(同11位)といったヒット・シングルも出ているのだが、個人的にいちばん好きなのがその曲だ。 作者はもちろん、ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーの二人である。 イントロの、のんびりしたオルガンの音色に軽く脱力 曲調もゆっくりしてて穏やかだ。 サビ部分でのメロディ展開や分厚いコーラス・ワークがとても気持ちよい。 やわらかなアコースティック・ギター、間奏のサックス・ソロにも心がなごむ。 シンプルなサウンドは後のスティーリー・ダンからは想像もつかないが、これはこれでなかなかに味わい深い。 一方で、ヴォーカルをとるデヴィッド・パーマーの声がグレン・フライそっくりな上に、コーラスの感触なんかも手伝って、一聴するとイーグルスの曲かと思えるのが笑える。 それでも、ジャジーなコード感覚といい、そこかしこからネジれや毒がにじみ出てるように思えるのはさすが。 このグループ、やはり出発点からしてスティーリー・ダンだったのだ。 バンドが6人編成にも関わらず、この時点で結構な数のスタジオ・ミュージシャンも使っているしね ともあれこの曲、個人的にはスティーリー・ダンの中でもかなり上位にくるのだが、いかがでしょうか? アルバム『Can't Buy A Thrill』は、他にも聴き所がギュウづめよ~(詳しくはこちらを参照)。 ダマされたと思って聴いてみてくださいな つーコトで「Dirty Work」を聴くにはここをクリック。 ん~、なごみますなぁ~ ※ 後にドゥービー・ブラザーズへ加入 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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