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テーマ:洋楽(3285)
カテゴリ:70年代洋楽
もちろん、彼らの残した実績とあまりにも多い名曲の数々を知っている方なら、 「不遇の天才? こいつアタマ大丈夫か?」 ↑とまあ、こう思うでしょう。 しかし、これがThe Bee Geesというアーティストに対する僕のイメージだ。 幾多の紆余曲折はあるものの、'63年にデビューした彼らは、モーリス・キブの死去による活動停止まで、約40年間、グループの看板を守ってきた。 そのキャリアの長さを差し引いても、彼らの残した名曲の数はハンパじゃない。 まずヒット曲らしいヒット曲だけでも、全部聴こうと思ったらCD3枚組くらいになる。 アルバムに埋もれた名曲も相当な数だし、その上、他のアーティストに提供した名曲(ちゃんとヒットもしている)も考慮すると、彼らに匹敵するアーティストなんて、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ビーチボーイズ、スティーヴィー・ワンダーくらいしか思いつかない。 それなのに、ビージーズのイメージといったら「サタデイナイト・フィーバー」とか「小さな恋のメロディ」の曲の人、てなくらい。 あとは、ドラマやCMで時たま曲が使われて一時的に注目度が上がるくらいか… いわゆるジャーナリズムなんかでも取り上げられる事はほとんどない。 紹介される時もほとんどはベスト盤だ。それも中途半端な一枚モノのベスト盤ばっか…(泣) サウンドの先進性に欠ける……ディスコ・ブームに乗った……初期は似たようなバラードばっか(笑)…なんてとこが「音楽史」的に評価の低い所以なんだろうか。 まあ一応、要所要所ではちゃんと評価もされているようだが、それでも彼らの残した名曲の数を思うと、正当な評価をされているとはまだまだ思えない。 久しぶりにThe Bee Geesを聴いた自分は、そんな事を思うのであった。 「Jive Talkin'」はビージーズの'75年のシングルで、彼らにとって2枚目の全米No.1ヒットだ。 作者は、バリー・ギブ、ロビン・ギブ、モーリス・ギブの三人。 プロデュースを手掛けたのは、音楽史に残る名職人、アリフ・マーディン(2006年逝去)である。 アリフは、当時セールス的に落ち込み、方向性にも迷っていたギブ兄弟たちにヒントを与えた。 環境を変えさせ、音楽的アドバイスを施し、今、業界で何が起こっているのかを考えさせた。 当時はディスコの波が押し寄せていた時期である。 ギブ兄弟はそこに自分達の活路を見出した。 「Jive Talkin'」は、'75年5月31日に87位で初登場し、10週間後にビルボードの1位を記録。 それまでバラードばかりをやっていたビージーズの新生面を示すものであり、カムバックを強く印象づけるヒットとなった。 イントロの「チュンカ、チュンカ……」という音は、バリーの運転する車が列車の線路を越える時の音にインスパイアされたものだという。 重心のきいたシンセ・ベースと、対する軽やかなリズム・ギターの音色がイカしてる。 演奏は抑え目で、メロディにもこれといった起伏はないが、全体の印象はとてもキャッチーだ。 シンプルなフレーズを、反復するという構成が気持ちよい。 ブレイク部分での手拍子とカウベルもグー! キモい裏声は隠し味程度で、ストリングスも使っていないせいか、後の「Stayin Alive」や「Night Fever」ほどケーハクな印象はない。 グルーヴ感とヒット性を程よく合わせ持った、理想的なホワイト・ファンクだと思う。 ちなみに「Jive Talkin」とは、俗語で"嘘をつく"の意だとか。 この曲が収録されている『Main Course』(上ジャケット)からは、他にも「Nights On Broadway」や「Fanny(Be Tender With My Love)」などもヒット。 その他にも佳曲が揃っているこのアルバムは、おそらく彼らの最高傑作である。 ベスト盤に飽き足らない人や、どのアルバムから入ろうかと迷っている方にはぜひオススメしたい。 つーコトで「Jive Talkin'」を聴くにはここをクリック! Jive Talkin' You're Telling Me Lies~♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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