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上野千鶴子・古市憲寿さんが介護問題を語る「上野先生、勝手に死なれちゃ困ります」。
親子の問題はもちろん、社会の仕組み、家父長制度と、介護をめぐる問題は深い。 団塊ジュニアである古市さんの、親への依存を喝破する上野先生の鋭い指摘。 親の世代に反抗し、政治的関心に燃え、でもがむしゃらに働いてきた団塊の世代。 彼らは子供に豊かな生活を与え、自由に育て、物わかりのよい親になった。 その子供たちは、親との生活が居心地良くて自立しないまま、介護問題に直面する。 親子の依存関係が逆転するとき、親も子もそれを受け入れる事ができない。 「介護保険は介護する側のためにある」という上野先生の指摘は鋭い。 介護を通して、家庭の中からその上にある社会を見るような気がするけど、 この本は逆に、上の方から俯瞰して、現代の社会全体を見せてくれる。 家の中にこもって、閉塞感に息詰まりそうになる介護を、広い場所に、 現代史の流れに出して、自ら動かせと言われたようで、深呼吸できた気がします。
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Last updated
2012年01月09日 19時45分07秒
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