矢野論文を切っ掛けに、「財政破綻」の議論が始まり、土居丈郎・慶応大学教授や小林慶一郎・慶応大学教授が、
「日本国債の債務不履行はあり得ない」
と、認めざるを得ない状況になっておりますが、財政破綻論者たちは「次」はどうするでしょう。
もちろん、
「ハイパーインフレーションが~っ!」
とならざるを得ないわけですが、まさに彼らの祖国「日本」が、日銀が国債(既発債)を買い取っても、ハイパーインフレーションどころかインフレ率2%すら達成できないことを証明してしまった。
【日本のマネタリーベース(右軸)とインフレ率(左軸)】
http://mtdata.jp/data_77.html#MBInf
当たり前です。何しろ、インフレ率とは財やサービスの購入(需要)と、供給能力のバランスで決まる。財やサービスの購入が増えない以上、インフレになることはないのです。
となれば、どうするか。
「ある日、突然、月が落ちてくる」
と、やる以外に方法はないわけですね。
あ、そういえば、小林教授は中野剛志先生との対談で(文藝春秋)、第一次世界大戦後のドイツの例を出していました。
『(小林) たしか変動相場制かつ自国通貨だけの務でハイパーインフレになった例はあまりありませんね。
(中野) 「 あまり」 じゃなく て「 ない」 ん です。
(小林) でも第一次世界大戦 後 の ドイツのハイパーインフレなどは、 マルク という通貨への信認が失われたことで起きたと言えると思います。
(中野) あれは財政出動のし過ぎによるのではなく、戦争で供給網が破壊されて、さらにフランスなどにルール炭田を占領されたことで供給不足になったから起きたんですよ。
(小林) それだけで通貨の価値が一兆分の一になることはないと思います。 供給が何兆分の一になったわけではないから。 私が言いたいのは、戦争に限らず、何かのきっかけで通貨 への信認が失わ れるケースはありうるという こと です。
◆政府債務の限界はあるか
(中野) それも、財政出動し過ぎて通貨への信認が失われたケースではないですね。
(小林) ドイツの債務返済が問題になったわけで政府債務は通貨の信認喪失に絡んでいました。 日本の対GDP比債務残高はすでに未曾有の領域にありますが、これが何%になると国家が破綻 するのか、 理論的な限界は実は分かっ ていない。
(中野) 分からないのも当然で、そんな限界はないからです。』
さて、破綻論者たちが頻繁に(というか懸命に)持ち出すドイツのハイパーインフレですが、中野先生が解説している通り供給能力が一気に縮小したことに加え、
「戦時賠償」
の問題があります。インフレに加え、巨額過ぎる戦時賠償を(主にフランスに)支払わねばならず、ドイツ政府はひたすらマルク紙幣を発行せざるを得なかった。当然、マルクの対ポンド(当時はポンド)の為替レートは下落していきますが、そうなれば、ますますマルクを発行しなければならない。
という、特殊事情があったわけですね。
まあ、財政出動と言えば財政出動と言えないこともないのですが、あくまで「外国への支払い」でございます。外国への支払いは、為替レートに影響しますので、インフレ率を(輸入物価引き上げを通じ)上昇させていきます。
それに対し、我々は「日本国内に財政出動せよ」と主張しているわけで、為替レートとはほぼ無関係です。何しろ、直接的に日本円が外貨に両替されるわけではない。しかも、ドイツの戦時賠償のごとく、天文学的金額(国家予算の数十倍)の財政出動をやれなどとは言っていない。
記事タイトル: ある日、突然、ハイパーインフレになる~!(笑)
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