まともな腰痛・坐骨神経痛の解説本2冊
この種の本にはカラー印刷で図解中心の本が多く発行されているが、記述内容が浅かったり、根拠が曖昧ですぐに役に立たなくなることが多い。それで図書館で借りて十分なことが多い。また、整体院や接骨院の院長には医学を修めていないわりに適当なことを書いて出版していることが多く、注意が必要。今回の紹介する2冊は学術的基礎を踏まえて、手元にあると有用な本である。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー■1冊目:腰痛・坐骨神経痛・首の痛みが気になるときすぐに知りたいQ&A (The Medical Series) ※矢沢サイエンスオフィス編、出版社: 学習研究社 (2011/6/22)、定価:1,600円(税別)、A5判・224頁 、(著者)金 彪(獨協医科大学脳神経外科) 、久野木順一(日本赤十字社医療センター脊椎整形外科部) 、松本守雄(慶應大学医学部整形外科)※現在、学研の事情で中古本しか入手できないようですが、中古本自体は入手しやすい。腰痛・坐骨神経痛・首の痛みが気になるときすぐに知りたいQ&A【公式の紹介文】腰や首の痛み、坐骨神経痛はだれもが経験するありふれた疾患です。しかし軽い痛みやしびれでも日常生活は不自由になり、症状が重くなる と深刻な事態を招きます。本書は、そうした症状がでたとき、そして症状が重く深刻になったときのさまざまな不安や疑問にQ&A方式でわかり やすくお答えします。また、症状の重い患者が知っておくべき最新の治 療法、手術の種類などについて、第一線専門家が患者の立場に立ってくわしく解説します。(目次構成 )巻頭図解 脊椎と神経のしくみを見る第1章 脊椎と脊髄の障害Q&A(病院に行く前の一般的な疑問第2章 原因と予防についての疑問第3章 診断と治療についての疑問第4章 診断と治療の現状&最新治療第5章 治療の実際ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー■2冊目:新版 「せ ぼ ね」 ~腰痛の治し方・付き合い方~平林 洌・宇沢充圭共著/2013年3月27日発行、B5版変形 208ページ、定価 本体1,200円、株式会社 医事出版社 慶応大学の整形外科出身者による本。1984年に初版され、現在は2013年の新版である。新版 「せ ぼ ね」 ~腰痛の治し方・付き合い方~【公式の紹介文】 この本は、1984年に出版されました「せぼね―みんなの脊椎学」に始まり、その後8刷まで重ね、1998年には改訂版として発行され増刷を重ねた改訂版「せぼね―治療と健康のアドバイス」の流れを汲むものです。 本書は、筆者の一人、平林洌先生が2012年3月までの10年間、NHK第一放送での生番組、整形外科についての電話健康相談の担当を経験され、その中で最も多かった腰痛に悩む中高年の方々からの相談を踏まえ、さらにいろいろのマスコミから受けた質問に対しての筆者らの答えを含め、腰痛に関するその後のトピックスも加え、現在、筆者が勤務している慶友整形外科病院のスタッフからのアドバイスも収載し、画像も最新のMRIで撮像したより鮮明なものに更新し発刊されたものです。 手術を受けるかどうかで悩んでいる方、あるいはどんな手術かもっと詳しく知りたい方の参考に、また、腰痛の原因から予防まで、できるだけ分かりやすくまとめていただいたものです。【目 次】第1章 腰痛と下肢痛・しびれ・排尿障害──こんな悩みや苦しみへのアドバイス1. 腰痛2. 下肢の神経痛3. 下肢のしびれ4. 間欠性跛行──腰椎の異常からくるもの5. 運動麻痺6. 排尿障害──腰椎の異常からくるもの● 画像診断科からワンポイント・アドバイス(1),(2)第2章 腰痛疾患はいろいろ──こんなにもある病気と怪我1. ぎっくり腰(急性腰痛症)2. いわゆる腰痛症──腰痛患者さんの大半がこれ3. 腰部椎間板ヘルニア──若い人に好発4. 脊椎分離症・すべり症5. 変形性脊椎症──せぼねの老化6. 脊柱管狭窄症──神経が窮屈状態7. 変性側弯症・後弯症──お年寄りの変形8. 骨粗鬆症──せぼねが潰れる9. 脊椎炎・脊椎腫瘍──せぼねを壊す● 骨粗鬆症外来からワンポイント・アドバイス第3章 腰痛の治療法──専門医の治療原則 1. 安静療法2. 薬と注射● ペインクリニックからワンポイント・アドバイス3. 牽引療法4. 装具療法● 手術担当医からワンポイント・アドバイス(1)第4章 具体的に正しく治す1. 急性の痛みはまず抑える2. 椎間板ヘルニアにもまず安静を3. 慢性腰痛との上手な付き合い方4. 医師にかかるタイミング5. 民間療法を試したいときには6. 高齢者は愛護と運動の両立を● 外来看護師からワンポイント・アドバイス第5章 手術の正しい受け方1. 脊椎手術の目的2. 手術の結果をよくするために● 手術担当医からワンポイント・アドバイス(2)3. 手術を受ける人のために● 病棟看護師からワンポイント・アドバイス第6章 腰痛にならないために1. まず腰痛の原因を知ろう2. 負担をかけすぎない3. 腰痛体操のやり方● リハビリ室からワンポイント・アドバイス第7章 腰痛相談室・腰部脊柱管狭窄症といわれたことがあり、今回もまた歩けないほどの両足のしびれが。・椎間板ヘルニアの手術を受けたのですが最近、ヘルニアが再発してしまいました・すべり症で手術して二年。コルセットも取れません・腰椎分離すべり症の手術は必要ですか・急性腰痛発作を繰り返す・高齢者で腰痛がある場合、運動はどの程度していいですか・起床直後の腰痛の原因はなんですか・湿布とコルセットは効くのでしょうか・怪我をなんとか避けたいのですが・近年、寒さが応えるようになったのですが● 当院スタッフからのワンポイント・アドバイスあとがき