Atletico Tokyo～アトレチコ東京～

時は2003年は8月も終わり、
スペイン、リーガ・エスパニョーラの開幕も２日前、
私にとんでもないニュースが飛び込んできた。
「WOWOW、リーガ独占放映権獲得」
私はこのニュースに凍りついた。

まず断っておくが、私はスカパー・WOWOWに両方加入している。
よってどちらが放映しようと視聴は可能だ。
それはブンデスリーガを視聴したかったからなのだが。
でも私はひどく落ち込んだ。それはなぜか。
我慢して半年ほどリーガを見た今、はっきりと言いたい。

「WOWOWにfootballを放送するのは無理である」

以下にその理由を述べておこう。
一つ。彼らは視聴者のニーズを満たすほど、
J-sky sports（現J sports）で放映していたほど
サッカーを放映できる環境がない、ということである。
特に生中継ではなく、毎節朝5:00に統一するのは
いただけない。
この話を出すとWOWOWの方はこういうらしい。
「ウチは映画など他の番組もやっているので
　サッカーばかり放映できない」
だが、それなら初めから放映権を獲得してほしくなかった。
少なくとも私はそう考えている。

二つ。彼らにはsports放映のスペシャリストではない。
J SPORTSの放映の最大の長所は、その精神にあった。
彼らはスポーツを放送することにおいて、
最も大切なことをやっていた。
それは「試合そのもの＋周辺の話や環境を提供して初めてスポーツなのだ」ということだ。
例えば実況も倉敷アナを中心として、
何でもない、サッカーにも、
それ以外の裏話にも情熱をかけることでリーガへの
興味を沸き立たせたのは彼らだ。
これは視聴したことのある人しかわからない話だが、
「サッカーの歩き方」という番組をやっていた。
それはサッカーの試合とは全く関係はない。
空港からどの電車を利用してスタジアムへ行くか、
周辺には何が、どんな店があるのかを放映していた。
実はこれが大変に評判がよかったという。

裏話として、ヤクルトの試合を放映するときに、
駅から神宮へ行く途中の屋台の様子、
そこで鳴るジューという音、これを取り入れたときに
これもとても視聴者から評判がよかったという。

これはどういうことか。
皆さんには普段から野球を見る人もいると思う。
巨人戦なら毎日のようにやっている。
日常化してしまっている。
しかし観戦に行くのは年に数回、または０ではなかろうか。
これは非日常の、貴重な体験である。
彼らはスタジアム周辺の雰囲気を放映することで、
スタジアムへ観戦に行く疑似体験をさせていたのである。
ましてやスペイン。おいそれと行ける場所ではない。
この雰囲気を味わってスポーツというのは楽しむものだ。
これは民放各局には到底できないことである。
J SPORTSは金を取ることを引き換えにそれなりのものを
提供していたのだ。

リーガ放映権をWOWOWが取ってしまったときに、
視聴者が一番怒ったのはこの点ではないかと思います。
WOWOWにはこれは出来るわけがない（案の定していない）
彼らの放映姿勢は「試合そのものの雰囲気を伝える」こと
ですから。
しかし、私は有料化していくソフトには、
こういったものは必要なのでは、と思う。


いろいろ書いたのだが、
スカパー側もUEFA CHAMPIONS LEAGUE放映権を
取ってしまったのでどっちもどっちかもしれない。
もっとも彼らはCLでも満足させすぎなくらい放映しているが。

しかし、もう一つの意見として、今回の問題で大切なことは、

「視聴者を完全に置き去りにしている！」

ということだ。
一番大切なのは視聴者であることを両者、特にWOWOWは
肝に命じてもらいたい。
どうも彼らの放映態度は視聴者に対し、
「見させてやっているんだぞ」的な匂いが消えない。
K沢氏には好感が持てるのだが、
例えばI佐氏は放映権獲得時に起こした事件
（自身のHPで「リーガ・ゲッツ」と題した
視聴者への配慮を書いた書き込みをしたために
ここが荒らされて、閉鎖に追い込まれた事件）
がわかっているのかわからないのか、
あるいはもう勉強できる年ではないのか、
あまり成長が見られない。
（時に台本があるかのように、調べたことを言う）

とにかく、一刻も早く独占放映権を止めてほしいものである。
（もっとも、高い金を出した割に加入者は増えず、
　WOWOWはさすがに困っているようだが･･･）