Atletico Tokyo～アトレチコ東京～

少し前になるが、
２２日の夜のＮＨＫで五輪と放送技術の番組があった。
東京五輪で初めてマラソン完全生中継ができるようになったこと、
今も最先端の技術で五輪を放送しようという試みが
放映されていた。
全体的にさすがＮＨＫという内容。
しかし、これは五輪とメディアそのものの問題だが、
そこについて触れておこう。

それは毎回高騰している放映権料に関して。
五輪ではユニバーサル・アクセス権という、
まぁ簡単に言えば「全ての人が視聴できるように
有料にせずに放送しなければいけない」という権利がある。
一方五輪は全ての世代が見る貴重なソフト。
だからこそどの企業も大金を払ってＣＭ権を獲ろうとする。
よって放映権料は毎回上がり、
現在１５００～２０００億という金額が動いている。
これを長く保持しているのは米ＮＢＣだ。

近年放映権料が高騰する一方、ユニバーサル・アクセス権は
一応守られている。
しかしこれ以上放映権料が高騰することによるメリットは感じない。
多くの金が流れることで、よりよい映像を提供する流れは
予算的には既に満たしている。
これ以上吊り上げてもＩＯＣが無駄に潤うだけだ。
Ｗ杯におけるキルヒの例にあるように、
もし金を払い過ぎて破綻するリスクがこれから増えることのほうが恐い。
Ｗ杯では免れたが、仮に元が取れなくなって運営できなくなったときに
負担はどこへ行くか。
有料になる、国関係が介入する、
いずれにせよ視聴者に負担はふりかかると思う。

そしてもうひとつ放映権について。
果たして今の金額でＮＢＣ以上の放映権料を払える
メディアが世界にあるだろうか？
あってせいぜい米国メディアではないか。
当然放送は米国よりになりやすい。
いろいろな国の放送局が毎回演出することで
公平性が出るのではないかと私は思う。
つまり結局放映権料を吊り上げて一番得をしてる国は米国だという事実。
競技でも野球に象徴されるように
この国が参入しないと五輪スポーツは評価されないと各国が思い込んでいる。
日本が大リーガー参加を軸に野球存続を訴えるのはその典型。
だいたい野球は金がかかるスポーツなのだ。
だから視聴者が少ないなら排除するのは仕方ないと私は思う。
日本のエゴは気持ちはわかるが賛成はできない。
野球は独自にＷ杯を開ければいいのではないか。