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Atletico Tokyo~アトレチコ東京~

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2006.04.12
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カテゴリ:Baseball

「スモール・ベースボール」という言葉が何だか流行語大賞を獲りそうな勢いになっている。流行語というのはまず言葉が先に一人歩きしてしまうものだが、個人的にはこの言葉も例外ではないように感じられる。何より、中継のキャスターやマスコミなどが、とにかく「言ってしまえ」という感じになっているのが気になる。



今回のWBC、王ジャパンのラインナップは長打力のある選手よりも足の速い選手をずらりと並べた感じだった。どうもこのことが「スモール・ベースボール」と取られがちだが、これは単に選手(コマ?)を選んでいるに過ぎない。問題は、その選手達をどう扱っていくかであり、そこで監督の判断能力=采配が問われる。正確に言うと、走塁においては1秒以下の状況判断能力が問われるので、これは選手の力量にかかっているが、打撃、守備における状況判断においては、いくつかの選択肢がある場合、監督はその責任を負っていると考えられる。




ところが、今大会の日本は、点を取ることに対して非常にチグハグな状態が続いた。それを象徴する印象的だった場面を1つ示しておこうと思う。


準決勝、日本-韓国。
3回表、1死1塁に青木、2塁に川崎、打者は左打席に西岡、次はイチロー。カウント1-3という場面。さて、この状況をテレビで見ていて、自分はこのような選択肢があるかな、と思った。

1・投手の制球に不安があり、クリーンナップに続くので、出塁を念頭に置く。よって四球を想定してとにかく見逃す。
2・四球を念頭に、ただし狙い球を球種一つに絞って、それをしっかりとスイングして当てる。
3・四球を念頭に、ただし狙い球をコース一つに絞る。ここでは、併殺を防ぐ、かつ走者を進めるために右打ちが有効なので、内角に絞って引っ張ることを考える。
4・走者との連携。ダブルスチールを狙わせ、ストライクの球なら振りかぶってそれを補佐。ボール球なら四球になる。


で、結果は外角の直球をカットするかのように打ってしまい、サードライナー。併殺に終わる。
結果だけ見ると惜しいものであった。ただし、このときの判断は1~4のどれでもなかったと思う。2に近そうであるが、それなら手打ちになっていない。次がイチローであり、その中で1-3からすることではない。タラレバを言っても仕方ないが、しっかりとスイングしていれば、あの打球は3塁線を抜けていた可能性だってある。


このような状況判断が求められるときに、チームとしての方向性を示すなら(特に4のような連携プレイが選択肢にあるなら)、首脳陣は一つ一つ気配りをしなければならない。判断は何度も訪れるし、そこにある種の一貫性だって求められる。点を取るために、一つでも先の塁を狙う、少しでも出塁、進塁する、次への布石とする、全員で方針を意思統一した上でそれを行う。私にとってのスモール・ベースボールは、何か型にはまったものではなく、そういった一つ一つの判断の連続を楽しむイメージだったからか、そこに違和感を感じてしまったのが本音であった。今大会においては、他にも例えば一球ごとに無意味に悩んだ挙句バント失敗を繰り返すなど、「一体ベンチはどんな意識で指示をしているのか?」と謎めいてしまう場面の方が、少なくとも私にとっては何度も見られたのである。

なので、今回の日本について、私は「スモール・ベースボールの良さの半分しか出せていない」と思ってしまった。王監督が実際にやったことは、「1本のクリーンヒット、本塁打が糸を切らせる」戦いだったように感じた。それに一環性と選手の適応性があれば問題はない(実際に、ソフトバンクではそういう野球で勝ってきた)。しかし、あくまで攻め方の一つである。あの福留の本塁打は本当に効果的だったし、代打に出した采配はすばらしかったが、そこまでに(連敗を含めて)韓国相手に24イニングも費やしていることを忘れてはいけない。


でも…このことについて、王監督だけに責任を求めるのは確かにあまりに酷だと思う。そもそも、王監督はソフトバンクで10年間、そんな野球をやってきたわけではない(というか、巨人での現役・監督時代を通して王さんがスモール・ベースボールをやっているという話を聞いたことが無い)。そして、自分のチームを捨ててまで日本のために選手を揃え、戦ってくれただけでも感謝に値する。問題は、ソフトバンクでやったことのないことをやろうとさせて、それを補佐できなかったNPBではないだろうか。



大会に優勝した喜びや効果は、今季の日本プロ野球の活気を見ると非常に大きいものである。しかし個人的には、「日本の野球=スモール・ベースボールはまだまだこんなものじゃない」ことをこれまで野球をあまり知らなかったファンや、米国の野球ファンにぜひとも知ってもらいたいのである。


そして、その最高の例の1つが、今の原ジャイアンツなのではなかろうか。






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Last updated  2006.04.12 12:27:39
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