『座頭市果し状』
志村喬と言えば黒澤明の映画が真っ先に思い浮かぶ。あとは『ゴジラ』とか『日本のいちばん長い日』だが、こんなところでいい味を出しているとは知らなかった。町医者の順庵、という役どころである。市に対して鉄砲が使われたことはあった。しかし『あばれ凧』では傷が浅かった。今度は深手である。どうしても医者の手助けが要った。順庵は懐が大きい。市が渡世人と知っても「市っあん」と一献求めてくる。その順庵には娘の他に、息子がいた。その息子はお尋ね者で、偶然にも一味と一緒に、順庵の町の「十手を預かっている」二足の草鞋を履いた松五郎親分のところに匿われていた。町の特産品は絹織物である。松五郎は地元の若い女たちに機織りをやらせていた。労働条件は劣悪だ。一種の女工哀史である。そこへ市が乗り込み、被弾する。被弾した後も、市の「正義」は止まらない。だがいかにやくざ者とはいえ、実の息子を、実の兄を殺されては、もはや市は順庵宅に居候することはできなかった。…【中古】 座頭市果し状 /安田公義(監督),勝新太郎,野川由美子,志村喬 【中古】afb座頭市果し状 [DVD]【中古】 座頭市果し状 /勝新太郎,野川由美子,三木本賀代,安田公義(監督),子母沢寛(原作) 【中古】afb