『地底探検』
『地底旅行』の映画版。『八十日間世界一周』はそのままでも映画になるが、こちらは難物だ。小説の前半はいかにも昔の読み物らしくまだるっこしい。だから娯楽映画にするために、死火山、分かれ道、迷子、キノコの林、地下の海、恐竜といった要素は残しつつも、かなり大きな改変をしている。……ライバルの教授、生きていたサクヌッセンムの子孫、あひるのゲルトルート、同行する未亡人、到達した地球の中心(!)、アトランティス文明。ことに未亡人の存在は大きく、女っ気に乏しいヴェルヌの原作に華を添えている。なお、小説では誰も死なないが、映画では一人が殺され、一人が疲労で、一人が事故で、一羽が食べられて死んでしまった。現代人の目から見ると特撮がいかにもちゃちだが、物語そのものが時代がかっているし、まあ穏当というべきか。また、邦題は英語のとおり『地底旅行』でよかったと意見もあるかもしれない。しかしこれは語感の問題だろう。【中古】 地底探検 /パット・ブーン,ジェームズ・メイスン,ヘンリー・レヴィン(監督),バーナード・ハーマン(音楽) 【中古】afb