テーマ:今日のコーヒー(5073)
カテゴリ:スペシャルティコーヒー
・・・ プロバット焙煎機に替えて1周年になりましたので…「選べるSセット」で…全て1050円/250gでお届けします。(1890円/250g~のこーひーも、1050円/250gです。) ・・・ 1月は千葉としては珍しく2回も雪が降ってバタバタしてしまいました。そして、気がつけば2月…昨日今日と暖かくなっています。常連さんからは「桜ぼんぼりカフェ」はいつからですか?って聞かれるようになりました。2月19日(火)から発売予定です、お待ちください。 昨晩はいつものワイン会が幕張本郷サンク・オ・ピエでありました。テーマはローヌワインです。メインはとってもきれいで滑らかな味わいのコート・ロティにシェフが用意したのは猪の赤ワイン煮込み。相性は勿論なんだけど、コクまろの美味しさで後味のキレの良さも素晴らしく、人参のピュレにのせたフォアグラもあるのに、お箸?ナイフとフォークが進む進む♪…思わず笑顔いっぱいになりました。 そしてデザートはヴァローナのグランクリュ・カライブを使ったチョコレートタルトと、レモンタルトが並んでいます。どちらも、レストランならではのデザートで、これ以上柔らかくしたら切り分けられないというギリギリまで柔らかく仕上げています。しかも、このデザートの時間に会わせて仕込んだとのこと…。 そのチョコレートタルトには甘口のシェリーオロロソとサンクのジビエコース用のさかもとこーひーブレンド。オロロソとチョコレートタルトは飲んべえの甘いもの好きにはたまらない魅力で、合間にこーひー味わうとこれがさり気なく次のひと口をさらに魅力的にしてくれて至福が続いていきます。 そして、シェフのブログから盛り上がって出してもらった酸っぱいレモンタルト。 http://plaza.rakuten.co.jp/cinqchef5/diary/201301280000/ 「このケーキは、2~3年ぶりに作ったレモンのムース。自宅の庭のレモンの木になるレモンを使っています。レモン汁200ccに八分立の生クリーム200ccを合わせ、卵白2個分のメレンゲを合わせて作るんですが、レモンが多いのでその酸味で生クリームやメレンゲが固まりやすく、とても作るのが難しいムースです。食べるとぎょっとするほど酸っぱいのですが、スーッと溶けるとあとに心地よい甘味がほんのり残ります。潔いという感じの味わいですね。」 このブログに反応すると…「あの酸っぱいレモンムースに合うこーひーはどんな感じですか?」とシェフから返事がきて… 「あのレモンムースには変化球でしょうね、一見軽い味わいのシトリック系キャラで、きちんと受け止める柔らかいながらもボディが必要でしょう。」とTwitterでコメントしました。 「なるほど、、まあ普通に考えるとコーヒーは合いそうもないですが意外に紅茶で食べても後味がバッサリ切りおとされてマリアージュしないですよね。これに合わせられるのはさかもとこーひーしかないでしょうね!」 そして…「イメージできてきました、なぜかピッタリの豆があるんですね。」となり、すぐブレンドして、ワイン会のデザートとこーひーとなったのです。 そのレモンタルトは、鮮烈という言葉がピッタリの酸味と柔らかな口当たりと味わいなんです。このような酸味に合わせるコーヒーはかなりハードル高いですね。これ読んでる同業のみなさん、イメージしてみてください。どういう味わいならレモンタルトもコーヒーも引き立て合って魅力的な味わいになると思いますか? タルトの生地も薄くてペアリングの頼りにならないし、生クリームもメレンゲもふわふわで存在感消しているし…コーヒーに合わせるとっかかりが無いんですね。 まず、チョコレートやクリームに合わせるのとは全く別のアプローチです。そのレモンムースの酸味と喧嘩しないで、受け止め、寄りそうか?そして、酸味だけでは無く、ふわふわのムースに添わせる柔らかな甘さやマウスフィール、余韻をどうするか? 頭に浮かんだ豆は3種類。どれもシトリックキャラクターがある「パナマ・レリダ農園」「モカ・イルガチェフェ」「ケニア・カンゴチョ」です。 シトリックキャラといっても、それぞれ個性が違いますから、それらを組み合わせて繊細さと複雑さを共存させます。 この3つは酸だけではなく甘さやマウスフィールの質が素晴らしいことがポイントです。柔らかで繊細な甘さやマウスフィールが重なる事で、レモンタルトをやさしくしっかりと受け止めます。 シェフの息子さんが、レモンタルトにコーヒーは合わないでしょうって言ってたんですが…デザートが終わる頃には合いますね~ってニコニコ笑顔になってました。 そして、ワイン会を主催してくれているKさんが帰り道にTwitterしていました。 「そのチョコタルトと一緒に供されたレモンタルトの鮮烈な酸味を持った味わいと、それ用に特別にブレンドされたさかもとこーひーの相性といったら!単体で飲んだら決して主張の強くないコーヒーなのに、タルトにしっかり寄り添ってお互いを高めあってた」 試しに、ジビエコース用ブレンド(チョコレートタルトにドンピシャ!)をレモンタルトに合わせると、見事にそれぞれの違いが感じられました。 そんなこんなで…最近同業の仲間や経営者仲間からの反響が多かったのが以下のシェフのブログなんです。 http://plaza.rakuten.co.jp/cinqchef5/diary/201302010000/ 「岩川君は、うちのワインの仕入れ先である“いまでや”が近く都内に飲食店をオープンするのですが、その店の料理長になる人です。彼は今まで和食の料理人としてやってきました。新しいお店は、ワインを出すお店なのでフランス料理や料理とワインのマリアージュなどについての研修をいまでやに依頼されたので1週間余りお預かりしていました。 まあ、わずか1週間では大したことは教えられませんが、、、学習するきっかけを作ってあげたとは思います。料理人は経験10年くらいになると、一応一通りのことはできますし、職場でも部下を持つ立場になったりする時期ですから、つい「自分はもう一人前なんだ。」と思い込んでしまうんですね。それで、勉強するのをやめてしまえば、凡庸な職人として終わってしまいますね。本当は、経験10年なんてやっと入り口に立ったに過ぎないんですから、、、。そういう意味では、それなりにカルチャーショックは受けていたようなので、きっと向上心持ってやってくれると期待しています。」 シェフや僕にとっては当たり前すぎることなんですが…5年10年すれば日常の仕事をこなせるようになって、それで一人前になったと勘違いしてしまう人のなんと多い事か…一人前になったつもりになって勉強精進しなくなって凡庸のままそこで成長おしまいとなってしまいます。 ましてや、脱サラが多いコーヒー業界ですし…最近はスペシャルティコーヒーに共感して入ってくる若い人も多くなっていますが…3年5年やって知識や情報を手にしただけで煽って商売しているようではなんちゃってスペシャルティコーヒーから抜け出す事はできないでしょう。 素晴らしい素材が手に入るようになりましたが…それをなんとなく焙煎して、あとはエスプレッソだラテアートだと言ってるだけではせっかくのスペシャルティコーヒーの可能性が台無しです。まぁ、まともに焙煎できなきゃスタートラインにも立てないですけどね。 最後に、土曜日の昼間に近所の常連のMさんが来られて、レモンタルト用のブレンドの話しになったので…少しお裾分けしました。帰られたらすぐ淹れてご感想が届きました。 「サンクオピエスペシャルティ、ありがとうございました。早速飲んでいます。どれだけ酸っぱいのかとドキドキしましたが、飲んでみると、酸味よりむしろ甘さを感じますし、印象も円やかです。3つの柑橘系の酸味を重ねることで、「面で当たる」感じになるからでしょうか。 余韻のジンジャーがまた、ふくよかで、いい感じです。レモンのムースと合うだけでなく、食事の締めくくりとして、良さそうだと感じます。 余韻を楽しんでおります。ジンジャーが収まってくると、再び柑橘系、どちらかというとオレンジ主体の甘さを感じます。これにレモンが乗ったら、サンクから駅まで、とても幸せな気分で歩けそう。」 なるほど、どんだけ酸っぱいのかと思ったんですね。酸がポイントですが、そこは酸にもキャラクターと質がありますから、酸っぱさでも色々ですね。勿論、サンクからの帰り道はみんなご機嫌でした。 「この味を知ることができて幸せです。」…お客様にそう言ってもらえるようなこーひーをお届けしたいと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.02.03 22:01:13
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