テーマ:今日のコーヒー(5072)
カテゴリ:スペシャルティコーヒー
プロのつぶやき822「グアテマラ・エルインヘルト農園主プレゼンに学ぶ」 11月後半になりました…月曜日は神奈川県民に達郎のコンサートに行ってきました。5年7年間が空いていた90年代2000年代前半に比べたら、毎年ツアーをするようになってご機嫌なんですが…ここ数年チケットが取れない取れない…新しい若いファンが増えるのは嬉しいのですが…まぁ、愚痴です。 で、同業の若い人が東京に用事があるので以前一緒に行った幕張本郷サンク・オ・ピエのフォアグラが忘れられないと言うので…色々業界裏話をしながら食事しました。料理の全てに感動してましたが…イチジクとフォアグラには腰抜かしてましたね。 デザートの山ブドウのソルベ、プルーンとクランベリーのケーキ、カシスの生チョコに合わせたブレンドの話しになると…何を使っているのか?からはじまり…それぞれに違う個性や酸味があるけど、それに合わせるには?…秘訣を話してあげました。まぁ、聞いたからといっても実際にイメージできるのとは別問題ですけどね…。メールだけでブレンド出来るのはシェフとの阿吽の呼吸ですね、楽しい仕事です。 そんなこんなで…テニスのワールドツアーファイナル観たり、同級生の爺いの飲み会もあったり…かなりヘロヘロな1週間でしたが…無事乗り切り今朝は睡眠たっぷりで…「グアテマラ・エルインヘルト・パカマラ」を淹れてゆっくりと味わいながら書いています。 そのグアテマラ・エルインヘルト農園主アギーレさんのプレゼンが11/9(月)にあったので楽しみにして行ってきました。20数名の参加者でしたね。 さかもとこーひーは今年「グアテマラ・エルインヘルト・パカマラ」「グアテマラ・エルインヘルト・ゲイシャ」「グアテマラ・エルインヘルト・トラディッショナル」「グアテマラ・エルインヘルト・イエローナンス」と4つのエルインヘルト農園のコーヒーを使います。 毎年毎年エルインヘルト農園コーヒーを使って来てそのクオリティの高さ魅力の素晴らしさに感嘆しながら…まぁ、業界では世界一の農園と呼ばれてますが…何がそう呼ばさせているのか?…知りたかったのです。その為に、今年の2月には息子をエルインヘルト農園に訪問させましたし…今回のお話しでとっても共感し納得したのです。 殴り書きのメモを写しながら結論を言うと…「一発逆転は無い」…ということが伝わってきたんです。 例えば…農園の土壌が素晴らしいとか…マイクロクライメットという狭い範囲の気候に恵まれているとか…品種、肥培、完熟の収穫、乾燥…まぁ色々と条件がありますが…決めてひとつではどうにもならないということが伝わってきました。 有機栽培だから美味しいとかクオリティが高いわけでは無いですし…農園から直接買い付けているからクオリティが高くなるわけでは無いですし…焙煎に拘っているから美味しくなるわけでは無いですし…新鮮だから美味しくなるわけでは無いですし…キリが無いですが、ひとつひとつが大切なんです。 それと共通するポイントをアギーレさんが強く伝えようとしていました。 土づくり、施肥管理、収穫、生産処理、乾燥方法、生豆精選、パッキング、輸送などどれも大切で…ひとつひとつを「正確」にしていると…「正確」さを強調していました…そして「量」よりも「質」にフォーカスしていると。 グアテマラではまだまだ正確な農法が広まっていなくて…エルインヘルト農園では正確な農法をしているんだと…例えば農園を区画に分けて管理して…それぞれの区画毎に土壌分析をし役立てているとか…品種や地形によっても効果的なシェードツリーの種類と量が違い、区画に分けているのが役立っているとか…品種によって効果的な肥料、水やり、剪定をしている等々…全てを一緒くたにしていないんですね。 さかもとこーひーでも同じ考え方です…美味しいこーひーの為には…素材のクオリティや魅力が前提ですし…焙煎が的確で無いといけません…素材と焙煎が的確で無い豆ではブレンドも魅力的にはできません。 淹れ方は…「細挽き」「95℃以上の熱湯」「粉は少なめ」…「ドリップの場合は蒸らし無し」…そんなポイントを押さえればカフェプレスでも、ドリップでも、コーヒーメーカーでも、エスプレッソでも面倒なコツは必要無いです。 さらに「美味しい」というのは人それぞれですから…さかもとこーひーの常連さんにとっての美味しさをイメージしています。でないと、漠然とした美味しさになってしまいます。スペシャルティコーヒーは際立つ美味しさですから…際立つ美味しさは不特定多数の人に向けての美味しさにはならないと思ってます。 すると、アギーレさんの仰る正確さや区画に分ける大切さと繋がっているように感じるんです。美味しさも分けて、どのような人にとっての美味しさかということですね。 まぁ、理屈っぽい面倒な話しになってきましたが…その面倒なことは店の段階でクリアーしていますので…お客様は気軽に簡単に暮らしの中で楽しんでください♪…ということなんです。 あと印象的だったのは…社会的な責任についてで…まずきちんと給料を支払うといったことから…住環境のこと、医療のこと、サッカー場を作ったり、ピッカーが計量を待つ間のためにTVを用意したり…環境責任では殺菌殺虫除草剤不使用であるということや…パルプは堆肥に、パーチメントは燃料に、水資源の再利用、2つの水力発電で電力賄っているということまで色々とお話ししてくださいました。 それと、完熟豆を選別収穫することがとっても大切ですが…勿論収穫のトレーニングするのですが…その前に良い労働者を見極めることを話していました。ただ人数を集めて、トレーニングしても効果的では無いですからね。 この辺もとっても共感しました…大きな会社でも、小さな店でも、最初に誰と一緒に仕事をするのかを間違えるとなかなか上手くいかないと思ってます。人手が足りないからといって条件だけで雇うことは危険ですね。 さらに、25年前から自社輸出を夢見て来て、今はドライミルを完備し、自社輸出出来るようになったそうです。長期の目標を持って実現してきているんだと納得しましたね。 そうそう、現場の品質責任者の方がカッピングをしているそうです。誰がカッピングしているかもポイントです。最後にゲイシャやパカマラの樹齢を質問して答えて頂きました。 農業は天候の影響を受けますので毎年同じ品質というのは難しいのですが…それでも生産者のレベルによって天候の影響の大きさが違います。 以前のお米の冷害の時…東北でほとんど全滅なのに、畦道ひとつとなりの田んぼに稲がたわわに実っていて、それが農法の違いによってそれだけ差がでていると読んだことがあります。 アギーレさんの話しを聞いていて、その話しを思い出しました。正確な農法の実践があって毎年安定して素晴らしい際立った魅力、クオリティのエルインヘルトの豆が生産されているのです。 さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.11.23 08:38:28
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