テーマ:今日のコーヒー(5149)
カテゴリ:スペシャルティコーヒー
プロのつぶやき1039「シングルオリジンとブレンドの考え方について」 1月も下旬・・・暖冬ですねー、今朝は4℃、雨が降っています。 日曜の「チョコレートケーキのワークショップ」から・・・インポーターがサンプル持ってきて・・・同業の後輩が出張で東京来たので、サンクオピエさんでご飯食べながら情報交換・・・ダージリン・シーヨーク茶園のインポーターが来て・・・通販用のパソコンとプリンターを新しくして、その調整・・・卸先のカフェご夫妻が焙煎見学に来て・・・ガーデンカフェ風見鶏さんで「紅茶のワークショップ」・・・そして今日の午後は「チョコレートケーキのワークショップ」・・・おまけにテニスの全豪オープンが始まって・・・錦織選手は欠場ですが毎日チェックに忙しくて・・・昨日一昨日は連続で4時間超えの試合を夜ずーっと観て・・・かなりバテバテな1週間でした(笑) そんなこんなで・・・少し遠くて通販でお届けしている卸先のカフェのご夫妻が・・・朝からわざわざ焙煎見学しながら色々とお話しをしに来てくださいました。 さかもとこーひーを知ったきっかけから・・・それまで使っていた他所の自家焙煎店との違い・・・このコラムの以前の話し・・・おゆみ野店にも行って・・・こーひー飲みながら3時間以上盛り上がりました。そのお店のお客さんのこーひーへのご感想等・・・とっても助かりますし、励みになります。 勿論、さかもとこーひーで使っている素材のこと・・・焙煎のこともご質問に答えて、詳しくお話ししました。土壌や栽培、完熟実の収穫選別、精選工程・・・クリーンカップや甘さ、酸味の質やキャラ、ボリューム・・・焙煎の再現性の大切さ・・・さかもとこーひーの豆の淹れ方・・・そしてブレンドについて。 年明けにカフェの開業を目指している若い人が豆を買いに来た時・・・今エスプレッソのトレーニングもしているんですが・・・「シングルオリジンとブレンドの考え方について」聞かれました。 ブレンドを意識したのは・・・40年くらい前、紅茶に没頭していた時・・・そしてスコッチをあれこれ呑んでいた時・・・イギリス人のブレンディングの技術や感性、そして商品の多様さを感じた時でした。 紅茶農園を回った時にも・・・同じ茶園で出来上がったロット別にテイスティングした時も・・・鮮やかな水色のロット、香りの際立ったロット、味わいの深いロット・・・様々な特徴のロットがあって・・・それをブレンドして、その茶園の紅茶としてオークションに出す話しを聞いた時にもブレンドについて考えました。 (印象的だったのは、リプトンのテイスティングルームを見学した時・・・ミルク入りの紅茶がテイスティングボールに用意されてズラーっと並んでいたんです。聞くと、それはミルクティー用のサンプルのテイスティングだと・・・納得でした。) で、その頃のコーヒー業界は・・・オリジナルブレンド、スペシャルブレンド、モカブレンドなどが代表的で・・・あとはストレートコーヒー。 20年くらい前に毎年アメリカのカフェを回っていた時は・・・グアテマラやインドネシア、ケニア、ブラジル、コロンビアなどのシングルオリジンのクオリティの高さに驚きましたが・・・同時にカフェごとに多様なブレンドがあって、そのキャラにそれぞれのファンがいて、嗜好品としての可能性を感じたものでした。 コーヒーは嗜好品ですし・・・お客様にもお好みが色々とありますから・・・さかもとこーひーは27年前の開店当時から、お好みに合うようブレンドを揃えて・・・さらにこーひーで季節感を感じてもらえるようにブレンドしてきました。 で、その若者は・・・スペシャルティコーヒーというとシングルオリジンを全面に出しているイメージがありますが・・・さかもとこーひーはブレンドが多いのはなんでなんですか?・・・エスプレッソのシングルオリジンとブレンドはどう考えたらいいですか?・・・そんな質問でした。 本来、スペシャルティコーヒーはカスタマーオリエンテッドで、クラフトで、お客様が際立つ美味しさを感じるということがベースになっています。 で、このお客様が感じる美味しさが厄介で、日本スペシャルティコーヒー協会ではお客様のことを消費者と書かれていますが、消費者だとコンシューマー不特定多数になってしまいます。 しかし、際立つ魅力はお好みがありますから、特定少数向けの魅力、お客様向けの魅力が、美味しさであると考えてきました。 20年前にスペシャルティコーヒーを知った時に教わったカスタマーオリエンテッドにつながっています・・・カスタマーは顧客と考えています・・・消費者はコマーシャルコーヒー・・・カスタマーはスペシャルティコーヒーと分けています。不特定多数の消費者ではなくて、自店の顧客、目の前のお客様と考えているんです。 勿論、スペシャルティコーヒーは土壌、栽培、収穫、精選とどれも高いクオリティ・レベルが必要なので、それをクリアしたシングルオリジンの魅力を紹介することは大切ですが、それだけでは無いと思って、長年さかもとこーひーのお客様の様々なお好みや暮らしに合うようブレンドしてきました。 で、その時に答えたのは・・・ -シングルオリジンもブレンドも・・・それぞれの魅力があるってこと -大前提として・・・シングルオリジンは個性が出ている(個性の際立っている素材の場合)ブレンドはシングルオリジンの個性が弱まる -ブレンドする豆の種類が増えれば、シングルオリジンの個性がさらに弱まる -シングルオリジンには無い個性、魅力をブレンドできる -ペアリングでの可能性が広がる -様々なお好みに対応できる -複雑な味わいの可能性が広がる -シングルオリジンで複雑さに欠ける場合、ブレンドによって複雑さや味わいの幅や奥行きを出せる -例えば、エスプレッソでシングルオリジンだと単調になりやすかったり、ボディが物足りなかったりする場合、深い焙煎の豆でなくて例えばブラジルの違うキャラ魅力の2つの豆を使うことで複雑さが出て、それが奥行きを感じさせたりコクを感じさせることもできる、勿論焙煎度の違う同じブラジルの豆をブレンドする可能性もある こんな話しをしました。 さかもとこーひーのブレンドの場合は・・・不特定多数の方向けのキャラを抑えた飲みやすいブレンド、アトムの子・カフェヴィータ・コージーがあります・・・これらはヘビーユーザーのお客様は勿論・・・オフィスやカフェ等で色々なお好み方が召し上がることをイメージしています。 (余談ですが・・・一番安い価格のブレンドのクオリティをどう高めるか、一定にするかに、かなりのエネルギーを使っていますし、そこにその職人の考え方や技術が出ると思っています・・・これ以下のクオリティのものは商品にしない線引きですね。) 様々なお好みに合わせたブレンド、ボッサやオールドマンズプレミアムブレンド、ベラ・ノッテやハートバレンタインカフェ・・・まぁ、たくさんありますが・・・それぞれにリピーターのお客様がいらっしゃいます。 素晴らしい素材のシングルオリジンキャラを生かしたシングルオリジンには無い際立った魅力のブレンドもあります・・・今なら、ドナ・リー・ピンク・シャドウ・・・これはスペシャルティコーヒーの可能性にチャレンジしたブレンドですね。 要は・・・20年前には考えられなかった素晴らしい魅力の素材を使えますし・・・それらの魅力を楽しんでくださるお客様もいて・・・多様な魅力をお届けしたいということですね。 カフェやバリスタ、レストランごとのブレンド・・・色々なケーキやデザート・・・和スイーツは勿論・・・変わったところでは、お蕎麦、スパイシーなカレー、中華・・・お寿司屋さんのお茶のあとのこーひー、SUKEROKUブレンドは助六寿司に合わせたし・・・今の日本の暮らしの中のこーひーですね・・・楽しいです。 まぁ、そのためには・・・多様な素材を持っていないとできませんし・・・それぞれの素材のクオリティやキャラを引き出しに入れて、自由に使えないとできませんね・・・勿論、適切な焙煎が前提です。 さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.01.26 10:08:25
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