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2009.08.10
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カテゴリ:歴史と文化
 古代バビロニアの都市であるバビロンの遺跡は、多国籍軍基地の地下に埋まっている。イラク戦争の開始時に、アメリカ軍がバビロニア遺跡を占領して、基地を設営した。現在も多国籍軍の支配下にあり、バビロン宮殿がどうなっているかは知ることができない。ユネスコの調査によると、軍事基地の建設によって、バビロン遺跡は大きな損傷を受けたらしい。とはいってもい、ユネスコの調査そのものが自由に行えたわけでもないらしく、遺跡自体が地中に埋もれているので、破壊の実態は不明のままになっている。
 バビロンの遺跡に米軍が目をつけた理由はフセイン復元宮殿にあるらしい。周囲は砂漠なので、大型の近代建築群はない。砂漠の砂嵐を避けるには、司令部を設置できる大型建築を確保する必要に迫られていた。そこで目をつけたのがフセイン宮殿だった。フセイン大統領は古代バビロニアを宣伝するために、大規模な復元宮殿を建設したらしい。大統領の権威を示すための復元宮殿を米軍が占領して、司令部として活用した。そのときに周囲に鉄条網を張り、塹壕を掘って防御を固めた。この基地建設工事のときに、バビロンの古代遺跡は大きく破壊されたという。現在は、多国籍軍の基地の下にあり、基地に研究者も出入りできないので、遺跡破壊の実態はわからない。
 バビロンの発掘は第二次大戦前にドイツが行っている。英国やフランスと違って、本格的なバビロン科学調査がドイツ隊によって実施された。もっとも、最大の発掘物であるイシュタル門はベルリンに展示されているので、この時代の発掘が盗賊行為に近いのは確かだろう。それ以来、バビロンの科学調査は行われていない。湧き出る地下水が発掘の邪魔をして、古代バビロンの規模や構造は謎のままになっている。でたらめなフセイン宮殿を建設されたときも、遺跡破壊の批判が起きた。米軍はそのことを熟知していたはずなのに、後世に批判されるような行動を取った理由はわからない。
 古代都市バビロンは何度も破壊されて地中に埋まっている。最後に目撃されたのは、アレクサンダーの遠征のときだった。このときまでは都市機能が働いていたことは記録に残されている。その後、バビロンは放棄されて、遺跡は砂に埋まったまま数千年が過ぎた。その間に河川の流れが変化して、地下水位が上昇した。少し掘ると地下水が湧き上がるので、この一帯は放置されたままになった。そこにフセイン大統領が目をつけて、新宮殿を建設したため、米軍にマークされてしまった。軍人が文化価値を認めないのはドレスデン爆撃でも証明されている。血で血を洗う戦いの中にいると、文化財の重要性は笑い話になる。しばらくは、バビロン遺跡も多国籍軍基地の地下に埋まったままで過ごすことになりそうである。
 





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Last updated  2009.08.12 07:25:27
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