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2009.09.02
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カテゴリ:現代社会
 リビア革命から40年の歳月が流れた。いまだにカダフィ大佐が国家の実権を握っているというのも不思議な現象だろう。戦後に生まれた多くの独裁者が悲劇的な最後を迎えているのに比較すると、不動の地位を保っているのは奇跡に近い。イスラム世界には、テロリストや過激派や原理主義者が多数存在する。エジプトやトルコが民主主義を目指しているのに対して、独裁体制を敷くことで安定を生み出している。独裁政治の経済的基盤となるのが天然資源になる。
 アフリカは貧しい。多くの国家が民族対立や内戦、飢餓や貧困に悩まされている。たとえ石油資源があっても、民族間による資源の争奪戦や賄賂や汚職がはびこる国が多い。先進国は、石油の安定供給を第一に望む。絶対王政であろうと、独裁者がいようと、原油が約束どおり供給されることを優先する。サウジアラビアやリビアが国際政治を通過できた理由になる。イラクやイランのように政治が混迷している国に石油を頼ることはできない。
 アフリカには、莫大な石油資源が眠っているのだが、リスクが高すぎて投資できない現実がある。石油の利権をめぐって、民族同士が血を流す。クーデターなどで実権を握った政治家は、石油資本から賄賂を受け取り、民衆とかけ離れた豪勢な生活を送る。それに不満を持つ民衆が蜂起して内戦が起きる。リビアには、そういう矛盾がない。社会主義を信奉するカダフィは、政治的な対立者が出るのを防ぐために、富の公平な分配を進めてきた。アフリカでもっとも豊かな経済力を持つのが、リビアというのはなかなか信じがたい話になる。
 リビアは社会主義経済と直接民主制を敷いている。富の分配を平等にして、経済格差を生み出さないという仕組みが民衆の不満を抑えてきた。石油資源が採掘できたのは偶然だろうが、その使い道を合理的に判断した。現在では、世界中から投資資金がトリポリに集まって、天然資源開発に投資されている。欧米諸国はカダフィ体制を極度に嫌っているけれど、有能な指導者であることは認めざるを得ない。最大の課題はカダフィ以降の政治体制になってくる。北アフリカに存在すること、イスラム社会であることを合算すると、リビアの未来は予測することは不可能だろう。





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Last updated  2009.09.03 08:21:21
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