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2009.09.24
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カテゴリ:現代社会
 北アフリカ・リビアの独裁者カダフィ大佐が国連総会に出席する。そのためにニューヨーク州に土地を借りてテントを設営したという。アラブの遊牧民族の伝統にそって居住するためだろう。経済開放政策を行ってからのリビアの経済成長は目覚ましい。数多くの天然資源が発見されて、アフリカ随一の大国に成長を続けている。サハラ砂漠の地に莫大な石油資源が眠っていることが、リビアを資源大国に成長させた。内戦と飢餓に悩まされるアフリカ諸国の中で、数少ない例外というのが、リビアの根幹になる。
 カダフィは独特の政策を続け、イスラム社会主義を標榜している。軍部や官僚はカダフィの支配下にあるが、本人は大統領でも、首相でもない。単なる一指導者として、サハラ砂漠に君臨している。どうやら、行動の自由を束縛されるのが厭で、政府の要職を離れたらしい。
 アメリカ軍に自宅を爆撃されるまで、反欧米という強硬路線を突っ走ってきた。米軍の爆撃で娘を失ったカダフィは、欧米との和睦を受け入れ、経済の自由化という政策を推進してきた。これがリビアを劇的に変化させる。欧米諸国とは仲が悪いが、唯一イタリアとは友好関係を保っている。カダフィ政権が数多くの誤りを重ねてきたのに、独裁者として生き残った稀有の例だろう。アフリカに生まれた数多くの独裁者たちは、頻発するクーデターや反乱によって抹殺されていった。民族対立や宗教対立が激化しているアフリカ大陸で、これほどの長期政権が続くことは不思議に感じる。
 リビア政権が安定している理由は単純だろう。独裁政治の下では、政治的な対立が起こり得ない。対立する原理主義勢力さえも抑圧できる。石油資源のおかげで食料を輸入できるから、飢餓もなく、犯罪も少ない。原油の輸出で儲けた利益を個人や一族で独占せずに、公共投資を行った政策が国民に認められている。ほかの独裁者と異なって、社会主義を学んだことがリビアを安定させてきた。
 カダフィが消えたリビアは、おそらく厳しい運命にさらされるだろう。抑圧されてきた原理主義者やイスラム指導者は、次期政権に反乱を起こすはずである。膨大な石油資源の利益を狙って、クーデターや民族紛争が勃発することも避けられない。もともと緑地が少なく、食糧生産にふさわしい環境も持たないリビアは、飢餓に見舞われる確率が高い。リビアの内外に反カダフィ勢力が充満している現状から、サハラ砂漠に内乱がおきるのをせき止めるのは難しい。つまり、カダフィ亡き後のリビアは、政治的混乱が必然になってくる。それを避けるには、よほどの指導力が必要になるけれど、カダフィ一族に後継者になれるほどの人物がいるかさえも不明である。





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Last updated  2009.09.24 09:20:38
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