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2009.10.03
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カテゴリ:現代社会
 2016年度の五輪開催地がブラジルのリオデジャネイロに決まった。開催候補地だった東京が早々と落選したことに驚かされた人は多いだろう。五輪開催地は政治的な思惑が支配する世界になる。アメリカが世界の富を独占していた時には、資金力で米国開催を重ねてきた。日本の札幌や長野も同じだろう。五輪を開催するには、建設費などの莫大な予算を組まねばならない。競技場やスタジアムを建設しても、開催後に使い道がないことは、日韓ワールドカップで身にしみている。日本国内に五輪反対の声が強い理由のひとつが巨大スタジアムになる。
 五輪開催によって迷惑する東京都民の意向が反映されない発想にも驚かされた。公共投資の無駄だけでなく、都心にスタジアムを建設するには、さまざまな障害が多い。道路建設や地下鉄の工事は、後で生活の役に立つから全くの無駄だとも思えないが、10万人収容のスタジアムを建設しても、喜ぶのは建設会社くらいしかない。やはり、オリンピック開催など一度やれば満足すべきである。
 五輪開催地を決めるのは資金力になってくる。つまり、どれだけのスポンサーを集めて、どれだけの資金を分配できるかで決まる。スポンサーのほとんどいない途上国で開催することが難しい理由だろう。ブラジルのような国では、大規模な国家予算を使って運営していくしかない。幸い、ブラジルは高度成長期にあるので、借金でスタジアムを建設しても、マイナス面が少ない。道路や鉄道を建設したくても不可能な場所に、五輪目的の建設が可能になる。
 もし日本で五輪を開催するならば、ごみごみした都会ではなく、地方都市がふさわしい。しかし、長野五輪の後遺症が地方都市を威嚇する。多額の起債による重圧が長野県財政を事実上破たんさせてしまった。スタジアム建設までは好景気に沸くけれども、五輪が終わると廃墟になる。あまりに巨大すぎて、地方都市にふさわしい小規模大会を開催できない。地方都市に何万人も収容できるスタジアムなど必要なく、小さな競技場を複数建設したほうが生活を向上させる。そういう小さな施設は五輪に使えないから、矛盾している。
 政治家には、各方面からさまざまな圧力がかかる。五輪開催ならば、面と向かって反対する人間は少ない。五輪のためにという理由で、多額の起債が認められる。返済できるかどうかを慎重に考えないと、多額の借金だけが残る。東京ならば、10万人収容のスタジアムを建設しても、何か使い道があるかもしれないと政治家と建設業界は考えているらしい。年に一度、世界陸上を開いても、サッカーの国際大会を開いても、それだけで膨大な建設費が回収できる見込みはない。冷静に考えると、東京が落選したことは幸いな出来事に見えてくる。





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Last updated  2009.10.06 07:14:23
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