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2009.11.14
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カテゴリ:現代社会
 タイの元首相タクシン・チナワットが民主主義と正義の政治家かどうかは、なかなか判断しにくい。汚職の容疑で国際手配されている。しかし、タイから国外追放された動機が軍部のクーデターだとすれば、無実の罪を背負わされている可能性もある。やり手の政治家だったタクシンには、数多くの政敵がいる。軍部による強権政治と汚れた民権政治家という選択肢は悩ましい。タイの軍部は独立した権力であり、政治家や官僚の関与を許さない。民権派は軍事力を持たないので、クーデターを起こされるとひとたまりもない。
 そのタクシンをカンボジア政府は顧問として政策に関与させようとしている。カンボジアは開発が遅れ、貧しい途上国から脱却できていない。タイ経済を発達させた元首相に価値があると判断している。しかし、それは政治的な緊張を呼び起こす。追放したはずの政治家が隣国で経済政策に手腕をふるうという図式は、タイ政府をいらつかせる。タクシンの送還要求が露骨に示している。逮捕されると公平な取り調べや裁判を受けることは難しい。そこで、亡命者として各国を渡り歩いている。そして、カンボジアにたどり着いた。
 タイとカンボジアは立憲君主国を標榜している。しかし、実態は独裁国家に近い。邪魔者は消せという権力者が多い。隣国のカンボジアがタクシン元首相を呼び寄せた真意もわかりかねる。タイ政府との友好関係は破壊されてしまう。そうしてまで、タクシンを顧問にする狙いがわからない。経済通や政策通ならば、世界中にごまんといる。わざわざ、けんかや騒動を起こす必要はないのに、あえてやるという姿勢の本音が読めない。
 カンボジア政府は対立を覚悟している。それは両国の緊張を高め、外交だけでなく、経済にも悪影響を与える。カンボジアが頼りにしているのは中国であり、ベトナムになる。ASEANは一枚岩のように思われているけれど、今回の出来事を見るとそんな甘い情勢ではない。ロシアと東欧諸国のように複雑な感情があるのかもしれない。東南アジアで何が起きるかは不透明になってきた。





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Last updated  2009.11.15 14:45:29
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