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2009.11.23
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カテゴリ:歴史と文化
 世界最古の都市がダマスカスであることは、古代から語られている。ダマスカス郊外の遺跡には、1万年前からの痕跡があるというから、氷河期の去った後に人類がさっそく住みついたらしい。乾燥地帯の広がる中東地域では、貴重なオアシス都市であり、バラダ川の水路を利用した農耕地域だった。ダマスカスが都市として栄えたのは、ローマによる東西貿易の起点として機能した時代とウマイヤ朝の首都であった時代だった。旧市街の城壁には、ローマ時代の門が残されているというから、歴史の長さは半端ではない。
 ダマスカスが裕福な都市であれば、それを狙う勢力が破壊と略奪を繰り返すことは避けられない。モンゴルの侵略の時には、ダマスカスは徹底的に破壊され、多くの人々がサマルカンドに連行されたという。それでも、多くの古代都市と異なって滅亡にいたらなかったのは、東西の中間地点に位置するという地理的条件とオアシスにあるだろう。
 ローマ時代の交易は、ダマスカスをシルクロードの起点にしていた。すべての道は、ダマスカスを経由してローマに至るから、交易都市として最も豊潤な時代であったことは確かだろう。ビザンチン帝国が滅亡し、イスラム勢力が台頭して東西貿易が衰退すると地方の一都市に衰退していく。交易が陸路から海路に変更されたこともダマスカスには痛手になった。
 ダマスカスは歴史の宝庫であることはわかっている。しかし、歴史的な遺産が重層的に積みあがっているので、大規模な遺跡調査は不可能な情勢にある。遺跡の上に現代の都市が構築されている宿命が発掘を困難にしている。それゆえに、地下に何が埋まっているかさえも歴然としない。現代シリアの首都でもあるから、世界最古の都市は砂に埋もれたままにするしかないだろう。
 ダマスカスには、世界最古のウマイヤド・モスクが現存している。ローマ時代の教会を改築してモスクを建設しているから、さまざまな様式が組み合わされている。イスラム教の聖地でもあり、このことがダマスカスの存在価値を高めたことは確かだろう。多くの古代都市が廃墟として地面に埋もれているのに、ダマスカスは現代都市の機能を有しているということに驚かされる。イスラム勢力が十字軍と戦うために築かれた城壁がダマスカスに残っているだけでも、奇跡というしかない。





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Last updated  2009.11.23 17:24:15
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