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2009.12.22
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カテゴリ:現代社会
 コペンハーゲンで開かれていた国際環境会議は、効果的な削減の枠組みを決定できずに終わっている。190カ国が集まっているのに、何も決まらなかったと批判されることを恐れてまとまった文書が、「コペンハーゲン合意」になる。わかりやすく言うと、法的な拘束力のない自主的規制を申請して、その達成に努力するという案らしい。あまりに先進国と途上国の対立が激しいので、強制力を持つ規制案は不可能だった。
 国連は、全会一致が原則になる。多くのものを達成した先進国、経済成長を続ける途上国、資源を持たないアフリカなどの最貧国では、それぞれ立場が異なる。温暖ガス削減に積極的なのは、欧州と日本にすぎない。温暖ガス削減に賛成でも、国際機関が法的規制や監視することに批判的なのが米国の立場になる。経済に悪影響を及ぼすとして、米国政府は京都議定書からも離脱している。中国は高度経済成長の真っただ中にあり、温暖ガスの削減を進めることはとうてい不可能だろう。高度経済成長は、そのまま温暖ガスの排出拡大を意味しており、法的規制をされると経済成長が止まる。
 先進国と途上国の議論に取り残されたのが、最貧国と呼ばれる経済成長に縁のない国々になる。日常生活に使う燃料が薪や炭である地域にとって、石油や天然ガスなどの化石燃料は、高嶺の花にすぎない。海底油田でも発見されない限り、最貧国は20年たっても現状の経済を続けている可能性が高い。そういう国に削減目標を提示してもほとんど意味がない。
 混乱に輪をかけたのが、ベネズエラやキューバなどの反米を掲げる南米諸国になる。米国が作成に加担したコペンハーゲン合意を秘密会議で成立した不透明な文書と批判して、採決に抵抗した。全員一致の原則は、強硬な反対国が存在すると機能しない。大国を抑制して、弱小国の救済を狙いにする全員一致の法則が、合意を不可能にする要素になってしまった。
 京都議定書は12年で期限切れになる。それ以降どうするかは決まっていない。京都議定書は、先進国だけを規制対象にしたので文書がまとまった。それでも米国は脱退している。規制対象に中国やインドを加えることは絶望的だろう。経済成長をある程度達成してからでないと、環境会議には加われない。その中国政府と厳しく対決したのが米国だった。中国経済の台頭を抑えるには、温暖ガス規制を口実にして、成長を抑制させればよいと考えている。米国の戦略をを熟知している中国首脳は、途上国の温暖ガス規制そのものに反対している。中国に賛同する立場の途上国は多い。
 温暖ガス削減の理念は正しいけれど、規制を断行すると経済に影響が及ぶ。及ばない範囲で協力することには賛成だが、規制をほどほどにしないと協定にサインしませんよというのが本音だろう。こういう考えの国をまとめるのは骨が折れる。そこで、少数の国で規制案のたたき台を何とか作成したのに、その秘密会議を南米諸国に追及されてしまった。公開会議では各国首脳の本音が出せずに、話がまとまることは少ない。秘密会議で成果は出ても、方法論に部外者の批判が続出する。そして、成果なくCOP15は終幕している。 





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Last updated  2009.12.22 18:19:19
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