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2010.01.09
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カテゴリ:現代社会
 アフリカ選手権のトーゴ代表を乗せたバスが、ガビンダの国境を越えた地域で、武装ゲリラの襲撃を受けて運転手が即死した。トーゴ代表の選手2人も負傷している。ゲリラ側との銃撃戦は15分間続き、アデバヨルなどの選手たちは、バスの床に伏せるしかなかったという。トーゴ代表のバスを襲ったのは、ガビンダ独立を目指す民族グループFLECーFACと考えられている。
 コンゴ川周辺地域は、植民地時代のフランスとポルトガルの勢力争いの場になった。アフリカの植民地支配は、大河を制することから始まる。奴隷貿易を行うためにも、大西洋に面する港の制圧が重要であり、アフリカ大陸奥地に進出するには河川を制圧して、船による運送手段を確保することが求められた。コンゴ川流域の植民地争いによって、この地域の国境線は何度も書き換えられいる。ガビンダはアンゴラの飛び地として取り残されてしまった。
 アンゴラ独立後も、民族紛争と東西対立と石油利権などによって、アンゴラ内戦が続いてきた。アメリカとソ連の対立により、キューバ兵がアフリカに上陸して内戦を戦った時代もある。犠牲者は300万人を超えるといわれるほどの激戦が続いた。南部のダイヤモンド鉱山を支配するUNITAは、ザイールなどの支援を受けて、反政府運動を続けてきた。血のダイヤモンドと呼ばれる商品が流通した時代になる。国連の調停によってアンゴラの内戦が収まると、次はガビンダの独立戦争が始まった。
 ガビンダはアフリカ有数の石油産出地帯であり、アンゴラ唯一の外貨獲得手段になる。それゆえに、アンゴラ政府は武力でガビンダ独立運動を抑え込んできた。しかし、石油の利益がアンゴラ本国に独占されると、産油地であるガビンダ側に不満が高まる。独立すれば、すべての権益を手にできるとそそのかす勢力も出てくる。権益を失うことを恐れたアンゴラ政府は、あらゆる手段をとってガビンダ独立運動を抑え込んできたが、紛争の火種は今も残っている。アフリカ選手権の国際試合を行う選手を襲撃するという状況が、混迷するアフリカの現実を象徴している。





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Last updated  2010.01.09 16:12:48
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