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2010.01.12
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カテゴリ:現代社会
 相撲協会の理事に貴乃花が立候補を表明して、二所ノ関一門が揺れているという。改革を目指す貴乃花にとって、なにも発言できない立場はつらい。発言権を高めるには、協会の理事になることが手っ取り早い。しかし、古い組織である相撲協会には、派閥と慣習が存在していて、新参者の生意気な発言を排除する。貴乃花の発言を封じるには、理事に就任させないことが賢い。そこで、一門の会議が開かれて、どうやら貴乃花に理事選立候補の辞退を求めたらしい。
 門閥のはびこる組織が圧力をかけると、ほとんどのものは抵抗できない。多くの立候補予定者が過去につぶされてきたのだろう。二所ノ関一門からは、すでに立候補予定者が決まっている。建前は自由投票なのに、一門の有力者によって内定された立候補者に投票を強制されてしまう。一門に反抗すると、破門などの制裁を受ける。過去にも、破門されて無所属になった親方もいるというので、貴乃花のうごきが世論の関心の的になってきた。
 貴乃花が数年間待てば、一門の推薦を受けて、理事に立候補できるという。確実に当選できるけれど、貴乃花の改革はとん挫する。貴乃花の立候補には、現在の相撲協会の体質を批判する勢力が見え隠れする。現在のシステムでは、どういう方向に進んでいくかは理事長の判断で決まる。ほかの親方たちは、同意するだけの存在になっている。貴乃花が理事長に出世するには、何十年という歳月がかかるから、それまで待っていられないという危機感を抱いているらしい。
 貴乃花は、具体的な改革案を提示しているのではない。相撲界は、身分による待遇の差が大きい。十両に昇進しないと無給の身の上が続く。部屋に住みこんで稽古を続け、じっと出世を待つしかない。厳しいけいこと薄給に耐えられる日本人は少なくなった。モンゴルや東欧の力士が強くなるのも、苦しさに耐えることが普通の生き方だからだろう。贅沢になった日本人には、相撲部屋の生活はきつく、多くの人間が途中で飛び出していくのも無理はない。それを力で止めようとして、暴力事件なども起きる。
 貴乃花部屋は、閑散としている。かつての二子部屋や藤島部屋の繁栄が懐かしいほど衰退している。貴乃花が親方として、無能呼ばわりされる理由になる。多くの幕内力士を輩出していれば、それなりに存在感が出てくるのだが、十両すらも育てられないとなると、周囲の目は厳しくなる。弟子を育ててから、一人前のことを発言せよという批判が起きるのももっともだろう。しかし、その日は永遠に来ない可能性が高い。だから、いま発言権を求めて、理事に立候補する意味が出てくる。集中砲火を浴びる覚悟で出馬するということは勇気がいる。そのことが珍しがられること自体、不自然な話なのだけど。





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Last updated  2010.01.12 16:08:53
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