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2010.01.16
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カテゴリ:現代社会
 ハイチは、南北アメリカ大陸でもっとも貧しい国になる。そこにマグニチュード7の大地震が起きたのだから、国土は壊滅的な状況に追い込まれている。世界各地から救援隊が向かおうとしても、空港や港湾が整備されていないので、到着までに時間がかかる。多くの道路は寸断されて輸送路として使えない。輸送用のヘリコプターだけが唯一の交通手段になるが、被災者に食料や医薬品を届けるには、ヘリの数が足らない。被災した人々は300万人に達するという。
 貧しさゆえに、道路などの交通網に投資が行われてこなかった状況も、事態を悪化させている。多くの人々が、建物の崩壊によって瓦礫の下に埋まっていることはわかっていても、手を打つことができない。大統領官邸が倒壊するのだから、無事な建物は少ないだろう。食料や医薬品を求める被災者の不満が高まり、商店などの略奪などが発生しているという。首都では、政府の機能が失われている。自分で食糧を確保するしか生き残る道がなく、これが略奪につながる。
 ハイチは楽園というイメージが存在した。奴隷解放を世界で最初に行ったのはハイチ革命であり、植民地から独立したのも、米国に次いで2番目だった。しかし、それから200年が過ぎてみると、経済はほとんど成長していない。ハイチは自給自足の零細農家が多く、農業の国際競争力がない。そこに貿易自由化によって、安い小麦やとうもろこしが流入して、零細農家は打撃を受け、貧しさに拍車をかけた。
 一日の生活費が200円程度のハイチが、経済成長を成し遂げる確率は恐ろしく低いだろう。経済成長の数字などを気にする人間は、ハイチの未来に絶望するだろうが、ハイチ人はその日を楽しく暮らすことで満足している。物質文明の対極がハイチには存在する。内戦を封じていた国連PKOが地震に巻き込まれて壊滅している。政府の無策ぶりを見ていると、内戦の火の手が再び上がることは避けられそうもない。  





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Last updated  2010.01.18 11:04:51
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