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2010.03.07
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カテゴリ:現代社会
 ターミネーターの世界は、核兵器による世界大戦の恐怖を描いている。監督であるジェームズ・キャメロンの核兵器を憎む気持ちは、核戦争で荒廃した地球という映画の背景に投影されている。しかし、アメリカ政府は、核兵器を究極の武器として存在させるために、広島への原爆投下を正当化してきた。多くのアメリカ人は、原爆投下を正義の行動だと信じている。退役軍人の主張する広島投下の論理をキャメロンは破壊したいのだろう。
 原爆投下を追求した著書が販売中止されたという。部分的に錯誤や虚偽が含まれていることを廃版の理由に挙げている。小説ならば、それは虚構の世界だと理解されても、ドキュメンタリーは真実を追求するゆえに誤りが許されないとして断罪された。それでも、廃版にされた理由は、政治的な圧力にあることは間違いない。原爆開発や広島投下に至る経緯は、概略だけが明らかにされていて、真相は闇に包まれている。アメリカ政府は兵器としての原爆開発が、世界制覇の近道であることを熟知していた。
 イランや北朝鮮の核兵器開発を抑止するのは、核の独占が崩されることを恐れるためであり、平和主義的な発想からではない。米国は数千発の核兵器を所有しているのに、他国が所有することを禁じるというのは矛盾する。世界大国であり続けるためには、多数の核兵器が必要であり、それを独占することが世界秩序を維持する道と考えている。ゲリラ的に核兵器を開発しようとする野蛮な勢力を威嚇する理由でもある。
 歴史の本に書かれている原爆開発と広島投下に至る歴史は、アメリカ政府によって装飾されている部分が多いはずである。B29爆撃機の搭乗員の告白などは、ほとんど取り上げられていない。あまりに悲惨な光景を目撃したからであり、搭乗員が真実を語ることは、原爆が虐殺の道具だったことを世界中に暴露してしまう。原爆を女神の贈り物にしておきたい政治家は、人類史上最悪の大量虐殺事件であった原爆投下の経緯を消しておきたい。その策略が通用してきた歴史観があり、原爆投下がナチス以上の残虐行為であるなどと発言する人間は抹殺されてきた。キャメロンの生きざまには、相当な覚悟がいる。





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Last updated  2010.03.07 09:05:27
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