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2010.04.01
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カテゴリ:現代社会
 韓国艦艇の爆発事件は、機雷による接触事故だと考えられている。朝鮮戦争当時に敷設された機雷は、南北双方によって海底深く配置され、機雷の位置も相手側に通報していないので、危険極まりない残存兵器になっている。上方を鋼鉄製の船舶が通過すると、磁気あるいは音響などによって、爆破活動が開始される。海底から解き放たれた機雷は、目標の艦艇に近づくと自爆する。その爆破エネルギーで、近辺の船舶を破壊して沈没させる。
 アジア地域に機雷が活用されたのは、日露戦争時代までさかのぼる。日本海軍とロシア海軍の双方が機雷を港湾などに設置している。鎖で繋がれている機雷を艦艇がひっかけて引きずると、起爆する仕掛けになっていた。敵の港湾などを封鎖するには効果的な兵器であり、第一次大戦と第二次大戦には、数十万発の機雷が世界各地に敷設されている。
 一度設置された機雷を除去することは、本当に難しい。磁気、あるいは音響を探知して爆発するから、普通の船舶では、機雷の爆破に巻き込まれてしまう。掃海のために木造などの磁気に反応しない船体を使う。音も爆破を誘引する要素になるので、船体に防振装置などを搭載して、極力音を出さない構造にする。機雷除去はもっとも危険な任務であり、過去にも犠牲者が後を絶たなかった。現代では、海底ロボットを使うことで、人的被害を防ぐようになっている。
 朝鮮戦争当時は、大量の機雷が沿岸地域に敷設されている。機雷は一定期間が過ぎると自沈したり、自爆する仕掛けになっているけれど、すべてが機能するわけではなく、浮遊機雷として海中を漂うものも出てくる。鋼鉄などの船体を持つ艦艇は、機雷の最大のターゲットであり、海中を移動して爆発するから、完全に防ぐことは難しい。朝鮮戦争には、日本の艦艇も機雷除去作戦に従事して、日本人の犠牲者も出ている。
 戦時には大量に敷設される機雷も、平時になると海運の邪魔になるので、機雷除去方法を計算に入れて置く必要がある。しかし、第二次大戦などに使われた古い機雷は、捜索すること自体が難しく、見逃された機雷は放置されたままになった。日本を海上封鎖するために、アメリカ軍はB29で大量の機雷を沿岸地帯にばらまいた。それらの機雷を日本海軍が掃海することは困難であり、船舶による物資の輸送は事実上停止された。戦略的に機雷を湾岸に配置されると、近代国家は身動きできなくなる。
 日露戦争では、戦艦クラスも機雷によって沈没しているから、小型艦艇などひとたまりもない。平時には、巡洋艦や空母よりも、小型の掃海艇を重要する理由になる。現代の機雷は、高度に電子化され、緻密に起動するようになっており、除去方法も計算されている。しかし、昔の機雷が浮遊している場合は、手の打ちようがない。機雷を探知する掃海技術と、探知されないための秘匿技術は矛盾しているので、機雷がある限り、安全航行ができる日は永遠に来ないだろう。まあ、無意味な戦争を避けるしかないかな。





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Last updated  2010.04.01 17:46:47
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