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2010.05.09
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カテゴリ:モータースポーツ
 来シーズン以降のF1タイヤ供給をめぐる戦いが水面下で始まっている。タイヤメーカーはブリヂストンの過重な負担を知っているので、新たな戦術に出ている。それは有料化になる。ブリヂストンが全チームの使うタイヤをすべて無償で供給してきたことは、考えてみると偉大な功績だった。それが本社の経営を悪化させたので、F1から撤退する要因になってしまった。そのことを他のメーカーも熟知しているので、二の舞にならないように用心している。
 ミシュランの条件は、ワンメイク制度の廃止と有料化と規格の変更になる。ひとつのメーカーが13チームすべてのタイヤを負担することは無理という姿勢を取っている。限られたチームに有料化されたタイヤを供給すれば、すべての問題は解決するという論理になる。これならば、毎レースに1000本以上のタイヤを生産して、日本から空輸している苦行からメーカーは解放される。供給するチームを限定すると、ミシュラン得意のスペシャルタイヤが配達できる。F1マシンの特性に合わせて、タイヤそのものを細かくチューニングする。各チームのマシンに最適な設計のタイヤを供給することで、マシンの弱点も補える魔法のタイヤが生まれる。
 エイボンの狙いは知名度だろう。F1に参戦することで世界中に名前を知らせる。見返りは格安の価格という。ミシュランの3分の1の価格で供給すると約束している。無償でないところが、エイボンの立場を示している。高価なタイヤの製造コストと世界各地への航空運送費は、小規模メーカーの財政を圧迫する。ブリヂストンのように品質にこだわらなければ、かなりのコストダウンが可能になる。しかし、チーム側はこの姿勢を危惧している。ハミルトンのようにタイヤトラブルに巻き込まれることを上位チームは警戒する。値段よりも品質が重要な要素になってくる。
 そこで、ピレリの登場になる。ピレリはワンメイク制度に賛同している。すべてのチームにタイヤを供給する覚悟があるという。ピレリは世界の有力メーカーなので、技術と資金力にそれほど問題はない。不足している経験は、F1に参戦することで蓄積できる。F1参戦の負担は総額百億円以上と考えられるので、経営陣に覚悟があれば独占できる。F1チームの希望に一番近い考えを持っているけれど、ピレリを支持する声が聞こえてこない。多くのチームはブリヂストンの残留を願っている現実がある。
 F1チームが恐れているのは、タイヤ戦争の勃発だろう。複数のメーカーがF1に参戦すると、どうしても性能と価格に差が生まれる。ミシュランがフェラーリなどの有力チームと契約してしまい、財政難のチームは低価格のエイボンを使用するのでは、浮かばれない。トップチームと同じタイヤを使い、かつ低価格でというのは、弱小チームの願いだろう。それを実現できるのは、いまのところピレリしかない。ワークスチームはミシュランを使い、プライベーターはエイボンという図式を避けたいのならば、ピレリが食い入る可能性はある。





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Last updated  2010.05.10 08:46:13
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