「さぁ、そろそろ始めるぞ」
悪三郎の声が客席に響きます。
ディズニーランドのアトラクションか?と思ってしまいましたが(笑)
久秀との会話だったんですね( ̄ー ̄)
ここから腹心・久秀、技量の見せどころ。
市長をぐるっと取り囲み、謀反人(左大臣)処刑の正当性、王子は妾腹であるから王位を継承するに相応しくない、…と半ば力ずくで説き伏せます。
パワハラですな(爆)
ビビった市長は市民に悪三郎さまが王位につくことについて演説をすることに。
そんな市長が心許ないので、久秀は市長を脇へ押しやり雄弁を奮います。
観客いじり
と言われているのが、ここですね(^ー^)
巧く観客を市民として巻き込み、拍手を促すパワーは上々(笑)
この辺りから悪三郎が戴冠するまでの間、石田久秀の活躍は言うまでもなく最高潮。
数百名も入るキャパの劇場観客(市民)の心をスパーンと持っていきましたね(笑)
「王位を継ぐことに最初はイヤイヤしてください。どうしてもと望まれて渋々引き受けるのです」
そんな久秀のアドバイスどおり、事が順調に回り始めます。
読経を上げ(狂言で僧が唱えるあの「うじゃらうじゃら…」です・笑)信心深き演出をこしらえます。
「王になってください」
久秀「ぜひ、ぜひ」
悪三郎「無理、無理」
久秀「ぜひ!」
…悪三郎「無理。」
このあたりのやり取りが狂言「呼声」みたいですし(笑)明らかに「芝居めいていて」可笑しい。
石田久秀主導でクルクル動き回る月崎太郎冠者が活躍する場面ですから、狂言色が非常に濃いシーン。
ここで、戴冠することを承諾。
私たち「梃子でも動かぬ市民」のせいにして(笑)悪三郎は王位継承を受け入れます。
アデュー
カムフラージュの法衣を脱ぎ捨て悪三郎祭りのはじまり。
まさに悪三郎様のリサイタル。
金のマイクでノリノリ(爆笑)
♪国を盗ったら王様だ~♪
祭りだ、祭りだ、ケセラ~セ~ラ~
節は口ずさめますが歌詞が不明です。記憶にありません(苦笑)
日記でお伝えできないのが残念( ̄▽ ̄:)
悪三郎ダンサーズが周りで踊り、おひねりも市民(客席)に奮発(笑)
今までゴツイ怖い顔をしていた悪三郎手下の二人(平原テツさんとすがぽんさん)が、ぱーっと明るい笑顔で踊り出すのも隠れた見どころ(笑)
このギャップがかなりいい。
悪三郎の手下二人に狂言「鈍太郎」のように手車をされて人差し指を上にかざし、ミラーボールが回る異様な光景は…
「いつの時代じゃ、そりゃっ」(笑)
突っ込むのも忘れるほど面白いです(≧m≦)
ここは好き嫌いが分かれ賛否両論かもしれませんが、聞くところによれば河合先生や萬斎さんもかなり拘った箇所だそうで…(笑)
ミラーボールは悪ノリが祟っちゃった気がしなくもありませんが、私は好きです(*´∀`)♪
むしろこの落差(クライマックスに向かっての悲劇性)が、ジェットコースターのような感覚で襲うので不思議と中弛みを感じさせない。
悲劇を観たら喜劇でバランスが取りたくなる。逆もしかりで…。
いわゆるここって「悪三郎風、戴冠式」
ある意味、厳粛でも地味でもいけない、王位簒奪の記念すべき瞬間。
多少の悪趣味さ(爆)を醸し出し、王になった瞬間のメリハリを付けるには何かしらの大イベントは必要だろうなぁと思うわけです。
当初・・「随分と笑かしてくれるよー、悪三郎!」とだけ思っており。
ちびっと「お下品」とも思ったりもした(爆)
単なるウケ狙いの感覚でしか考えていなかったこの悪三郎リサイタルですが。
結構大事な効果かもっ!!!←3日目の観劇後あたりに気付く(遅)
一緒に悪三郎の戴冠式を楽しみ、喜んだ時点で、まんまと悪三郎の僕です(笑)
萬斎さんの謡いではない歌声が聴けるのはもとより
「摺り足ではない2ステップが見られる」(笑)
狂言師として…異種格闘技に出ていくことがあるとはいえ~、ミラーボールの下で2ステップは滅多にお目にかかれまいて(爆)
プレビュー初日に万作さん、7/5に万之介さん、他の日にも一門の方々や能楽師仲間が見に行ったりしていると言う目撃談を聞きましたが、一番気になるのはお父上 万作さんの感想です(笑)千秋楽にもいらしたようですね。
東京フィナーレの後は休む間もなく狂言地方公演で恐らくお父上と行動を共にされていると思いますが、どんな会話がされてるのかなぁ(≧m≦)
あ…。つい熱くなりまして・・・
悪三郎リサイタルに関する感想が長くなりました
つづく( ̄ー ̄)