中ロ同盟化に、日本はどう対処するのか。
上海協力機構(Shanghai Cooperation Organization, SCO)は、・ロシアが、カザフスタンタジキスタン・キルギスタン・ウズベキスタンタジキスタン・チュウゴク(中華人民共和国)頭文字 カタキウチ(敵討ち?)、五か国を率いてつくった多国間協力組織。二〇〇一年六月十五日、上海にて設立。 加盟国が抱える国際テロや民族分離運動、宗教過激主義問題への共同対処の外、経済や文化等幅広い分野での協力強化を図る組織。 中華人民共和国政府にとっては、ソ連一国と長大な国境線を持っていたものの、ソ連崩壊により多くの国と国境を接することになった。これらの分離独立した新興国の内情は、独立国家共同体(CIS)の影響力不足もあって非常に不安定であり、国家統制の及ばない武装勢力から中央アジアとの国境を共同で管理したい中国の思惑があったと見られ、国防上の要求もあり発足させた軍事同盟的な側面も持つもの。 プーチンもフーチンタオ(胡錦濤)も(よく似た名だなあ)大いに期待しているようである。 エネルギー問題に関しても、消費国である中華人民共和国としては、石油・天然ガス産出国である中央アジアの関係を強化したいものと考えられる。 モンゴル、インド、パキスタン、アフガニスタン、イランが表明しており、中華人民共和国・ロシア・インドといったユーラシア大陸の潜在的大国の連合体に発展することになる。 二〇〇五年にはロシアが中華人民共和国、インドと相次いで共同軍事演習を行い、二〇〇七年には上海協力機構に加盟している六カ国による初の合同軍事演習を行った。 中国が、印度の国連常任理事国入りを支援するなど、国際社会において巨大な勢力圏を構築しそうである。 ユーラシアの、後顧の憂いをなくした中国は、果敢にアジアの半島諸国、海洋諸国への影響力を高め、冊封体制の如き影響力確保を図る。四川大地震への義援金を集め、ミャンマー支援十億をつくる。さらにアフリカへの援助をてこに世界の冨の確保を目指している。台湾への執念は相当のものである。 日本はいかに対処すべきなのか。為政者に問いたい。この国をどう守るのか。米・タイ・日フィリピンモンゴルなどの共同演習,「コブラゴールド」は今どのレベルでなされているのか。台湾の防衛にいかに日本はかかわるか。印度との連携を、いかに図るのか。自由と繁栄の弧戦略は放棄されたのか。北京五輪以降の中国の軍事暴発は大いに危惧されるところである。一刻も早く国防の方針を定めるべきである。