青空と木洩れ日

10年前に母と行った観光地を訪れました。

当時母は杖を使う事が多く、
歩いても疲れやすくなっていたので
ホテルの中で食事したり
部屋で休むことも多かったのですが、
母と一緒に歩いたところや
一緒に行ったお店を
また歩きたい気持ちがありました。

そのホテルは今回滞在したホテルから
そんなに遠くないところだったので
思い切って行ってみると、
10年の月日って大きいですね、
以前母と毎日朝食を楽しんだ
1階のバルコニーに面したレストランは
店舗に変わってしまい、
おしゃれなお土産屋さんのワゴンが
沢山出ていた明るい中庭は
改装中らしく廃墟のようになっていました。

ロビー階に点在していたブティックも
違うお店に変わってしまっていましたが
1軒、ここにもう一度寄りたい
と思ったお店は、まだ同じ場所に
同じような品ぞろえで存在していました。

趣味の良いシルクのドレス等を扱っていて
そこで10年前、
とても気に入ったイタリアブランドの
スカーフを見つけたのです。

でも、う～んという値段だったので
一晩考えよう、と部屋に戻り
翌朝はもう帰宅する日だったので
朝一番でお店に行ったのですが
開店していなくて、買えなかったのでした。

帰宅しても、諦めきれなくて
電話で送ってもらえるか聞いたのですが
そのスカーフは見あたらない、とのことでした。

白地にきれいなカラフルな縁取りがしてあって
全体にパステルカラーで
蘭の花がプリントしてありました。

10年もたっているから
もうないだろう、と思ったのですが、
一応のぞいてみると
私が気に入ったスカーフではないのですが
同じブランドの柄違いで
なんとなく見覚えのあるスカーフが2枚
まだ売れ残ってありました。

10年以上も売れ残っていたものを買うのも
どういうものかとも思ったのですが、
あの時母と見たスカーフだったので
なんだか懐かしくて
こっちなら使うかなというほうを
1枚購入しました。

旅先では日常使いできるもので
思い出になるものを記念に買うようにしていて
10年前に母とここに来た時は
小さ目のウィンドチャイムを
ホテルの中庭で買って
私の家のドアにつけ
開けるたびにキラキラした音を楽しんでいます。

母と一緒に玄関に出た時、
「これ一緒に行った旅行先で買ったの覚えてる？」
とたまに聞くと、
「ちょっと覚えていない」という時もあるし
「あっ、覚えている」と言う時もありました。

母は私の買物に付き合っていただけで、
私が自分で見つけて気に入って選んだので
母が覚えていなくても
不思議ではありませんでしたが、
思い出してくれた時は、私も嬉しくて
幸せだなって思っていました。

今回の記念の品は
10年越しのこのスカーフになるかもしれません。
これなら、仕事でも身に着けられて
いつでも母との思い出と一緒にいられ
母が守ってくれている気持ちになるかもしれません。

母はそのブティックが気に入ったわけでも
スカーフが気に入ったわけでもなく、
ただ私が熱心に見ていたので、
黙ってつきあって、
ぐるっとお店を見ていただけだったのですが
それでも母と一緒にお店に行ったという
思い出は大事な思い出なんです。

母とここを歩いた、というだけで
大事な思い出になるので、
思い出せるものは何でも大事になるんですね。

はたから見たら、なんかどうでもいい話、
いろいろ考えすぎて何でも思い出にしようとしてる
みたいに思えるかもしれないけど
少しでも元気に前向きに
私が考えられればいいので
こういうことも大事だなと思います。

大体、スカーフを仕事の時に、って思えるのは
仕事につこうと前向きな気持ちなわけで
それに気がついて自分にやる気をもらえました。


こちら日本の有名スカーフメーカー製。
凝った柄が沢山あって記念にもなります。
左の柄は母にこういう色柄がよく似合ったので
何種類もプレゼントして使ってもらっていました。

シルクスカーフは顔色が明るくなりますし
アクセサリーをつけない人でも
ちょっとおしゃれになり、
襟元に巻くだけで暖かいので、
旅行にも重宝するし、
高齢者へのプレゼントにも
使ってもらえるのでお薦めです。

画像をクリックしてすると詳細が見られます。