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カテゴリ:science
学問の神様、北野天満宮で祭神の菅原道真(845~903年)ゆかりのご神木「飛び梅」がクローン技術で組織培養され、育った苗木が北野天満宮に戻されたそうです。全国的に流行している梅の病気「プラムポックス」が蔓延するリスクへの対策です。
北野天満宮の本殿前にある飛び梅の名は、道真が大宰府に左遷された際、京から一晩で主人の元へ飛んでいったという逸話に由来します。「紅和魂梅」とも呼ばれ、毎年初春に濃いピンクに色づきます。 一方、プラムポックスはウイルスが原因の梅や桃などバラ科の植物にみられる病気で、1915年にブルガリアで発見されました。国内では2009年に東京都青梅市で梅への感染が初めて確認され、関東から徐々に広まり、大阪府や兵庫県でも見つかっています。感染すると梅の実や葉に斑点が出ます。ワクチンがないため、これまでに全国で40万本以上が伐採や焼却されています。 北野天満宮境内には約50種類1500本の梅が植えられています。各地の感染拡大を受け、年に3回だった梅の消毒を10回以上に増やし、外からの植物の持ち込みを厳禁としてすいます。2009年には住友林業に飛び梅を含む境内の重要な梅の保存について相談していたそうです。 住友林業は2012年に飛び梅の冬芽を採取し、組織培養に着手しました。特殊な培養液を開発し、3年がかりで芽を増殖させることに成功しました。また、調査の過程で、飛び梅は根と幹でDNAが異なることが判明しました。元々あった古い根に接ぎ木したとみられ、接ぎ木部分の樹齢は350~400年だそうです。 今月、成長した苗木2本が北野天満宮に戻されました。飛び梅は道真公の時代から危機が迫るたびに先人が接ぎ木して大切に守ってきたとみられています。保全のため培養を続け、希望する全国の神社への譲渡も検討しているそうです。 ちょうど、春風の季節にふさわしい話題ですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.03.20 13:12:52
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