1341534 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

フライブルク日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2008/08/06
XML
カテゴリ:フライブルク
フライブルク、ヴィーレの町並み
「フライブルク日記」というタイトルで始めたブログなのに、まだフライブルク市の紹介をしていませんでしたね。
フライブルクはドイツ南西部、バーデンヴュルテンベルク州に属する人口20万の学園都市・観光都市です。
東と南を「黒い森」の山脈に囲まれ、中世の面影を残した美しい町です。
でも、フライブルクは90年代の初め頃から、とくに日本には「環境都市」として知られていました。
それ以後、中国や韓国、アメリカやイギリスなど他の国々にも当市の環境対策が有名になり、様々な国から視察客が訪れ、テレビや新聞でも取り上げられているそうです。
実は私がフリーライターとして環境について書くようになったのも、たまたま当市に留学・定住したことがきっかけでした。
フライブルクの環境対策については、これまで数え切れないくらい雑誌記事や本に書いたのですが、いまだに問い合わせがしょっちゅうあるので、一度ここでも要点だけをご紹介しておきます。

交通
・市の中心、大聖堂広場を囲んで店舗や飲食店が集中する「旧市街地」内の道路からは、70年代から徐々に搬入以外の車の進入が禁止され、現在では「旧市街地」全体が歩行者ゾーン(トランジットモール)となりました。
ゾーン内はトラム(路面電車)だけが走っています(ブログのタイトルの背景写真の右と左)。
おかげで観光客や市民は散策やショッピングをゆったりと楽しめ、毎日にがお祭りのようににぎやかです。
・フライブルクが環境都市として有名になるきっかけとなったのは、「レギオカルテ」です。
これは当市とそれを囲む二つの郡を走る鉄道、トラム、バスなど公共交通機関のすべてに乗り放題の定期券。
無記名の券は他人に売り・貸しでき、日祭日には一枚を大人二人と子ども四人が使えます。導入以来、路面電車やバスの利用客は倍増しました。これに伴って、トラムはさらに拡張され、新住宅地にも乗り入れています。
・フライブルクは自転車にもやさしい町。自転車専用レーンや住宅地での時速三〇キロ制限など、ほとんどの道路で自転車が安全に走れます(それでも事故は起こりますが)。駅前には大きな駐輪場が設けられています。

ゴミ
・ドイツでは九〇年代に、ゴミの減量化をめざして循環経済・廃棄物処理法や包装材政令(業者に包装材の回収・リサイクルを義務付ける政令)などの法律や政令が次々とできました。
でも、フライブルク市はそれ以前から資源ゴミの別回収とリサイクルをはじめていました。
・現在は紙・ボール紙類、金属やプラスチックの包装材、使い捨てガラスビンが種類別に回収・リサイクルされ、生ゴミや植物ゴミも別回収・たい肥化されています。
・まだ使用できる家具や家電製品、日用品を別回収して安く売るシステムもあります。
家具などの大型ゴミはリサイクルセンターへの持ち込みだけでなく、申し込めば年に二回、無料で回収してもらえるので、車がなくても大型ゴミの処分がしやすいのもうれしい。
こうしたゴミの分別方法や回収日は、大型ゴミの申込書は毎年各家庭に配られるゴミカレンダーにくわしく説明されています。
・リサイクルよりも前に大切なのは、ゴミが出ないようにするライフスタイル。ドイツでは、スーパーでは食料品売り場のレジ袋はたいてい有料、生鮮食品は量り売りがほとんどです。
それに、毎日午前中に、大聖堂広場で青空市(写真上)が開かれ、市民は新鮮な野菜や果物をパックなしで買うことができます。
大聖堂広場の青空市

・フライブルクでは、公共の土地で開かれる催しやサッカーの試合では、飲食物はリユース(何回も洗って使う)食器で出され、飲料はリユースビン入りだけが売られています。
現在ではリユース食器の利用は全国的に普及し、ビール祭り「オクトーバーフェスト」やロックコンサートのような大量の人間が集まる催しでも実践されています。
・リサイクルされずに焼却処分される雑ゴミは、回収回数と量に応じて、ゴミ料金が異なります。ゴミを減らすことで、ゴミ料金を節約できる仕組み。
・これらの対策のおかげか、この十六年の間に、処分される雑ゴミの量は六分の一にまで減りました。

エネルギー
・日照時間が長くて、太陽光発電も活発なフライブルクはソーラー都市とも呼ばれています。
個人の家、サッカー場などの大きな建物の屋根や外壁に設置された大規模なソーラーパネル、太陽に合わせて回転する家「ヘリオ・トロープ」、ソーラー団地などさまざまな形で太陽光発電が行われ、規模では国内の大きな自治体で一、二を争っています。
プラスエネルギー住宅

といっても、これは市が実践したのではなく、民間によるもの。
ドイツでは二〇〇〇年に再生可能エネルギー法ができ、太陽、風力、バイオガスなど自然エネルギー源で発電した電力の買い取りを電力会社に義務づけ、最低買い取り価格も定めています。
太陽光電力はふつうの電力料金の二倍以上で買い取られるので、自宅に太陽電池を取り付けた個人も、公共の電力を購入しながら、太陽光電力をまるごと電力会社に売ることで、利益を得られるのです。
ドイツは数年前に、太陽光発電の規模でついに日本を抜いて一位となりました。本当は日本も買い取り法を実施すれば、すぐに追い抜き返せるのですが。
・省エネを市民に促すために、十年以上前に省エネライトの無料配布をしたり、省エネ対策に補助金を出すなどの対策もしています。

このほか、エコ住宅、近自然型児童公園、環境教育センター、カーシェアリングなどいろいろな対策があります。

詳しくは著書リスト に紹介した本を読んでいただければうれしいです。

環境対策を推進するには、それを経済的にもペイするような制度が欠かせません。でも。そういう制度や法律ができる前から、一部の市民が積極的に実行して、自治体や国に提案したからこそ、よい制度が出来たのだとも言えます。
ここにリストアップした対策や実践の多くは、今では他の自治体でも見られます。
フライブルクが環境面のすべてで完璧だというわけではないのですが、それでも「さすがフライブルク」と思うことがあります。
都市計画に市民が参加してエコ団地にしたり、たくさんのエコショップやエコ青空市があったり、多くの人が自転車で観劇やパーティーにまで出かけたり、大小の環境グループがあったり・・・。

私もフライブルクに暮らしたおかげで、ちょっとはエコライフが身についたのかもしれません。



にほんブログ村 環境ブログへにほんブログ村 環境ブログ 環境情報へにほんブログ村 海外生活ブログへにほんブログ村 海外生活ブログ ドイツ情報へ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008/08/12 10:50:11 PM
コメント(0) | コメントを書く


PR

Profile

solar08

solar08

Freepage List

Calendar

Category

Comments

solar08@ ameliaさんへ 終了する必要もなかったかな、なんて今頃…
amelia@ Re:終了、引っ越し(10/14) solarさん この記事を拝見して、とても悲…
solar08@ 服部 充さんへRe:ワーキングホリディについて(04/07) すみません、お手数をおかけしまして。 メ…
服部 充@ ワーキングホリディについて 今泉みね子 様 お世話様です。 たぶんこ…
Solar08@ It's さんへ 拙い文を読んでくださって、ありがとうご…

Favorite Blog

KIK家の気張らない主… ☆KlK☆さん
ぴかままのおうち pikachumamaさん
シイラのイブクロ シイラ♪さん
ふたりと三匹 mitsumineさん
二度あることは三・… かりん6159さん

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.