テーマ:海外生活(7771)
カテゴリ:フライブルク
フライブルクの旧市街地(歩行者ゾーン)内には、あちこちに写真のようなBaechle(ベッヒレ、小さい小川という意味)が見られます。
フライブルク、市庁舎横丁の疎水 posted by (C)solar08 「あれ、ドブじゃないの?」なんて言わないで。これはドブでも側溝でもありません。 れっきとした川の水だけが流れていて、生活排水などはまったく流れ込んでいないのですから(下水完備率がほぼ100パーセントの国なので) 日本ではこれを「疎水」と呼んでいるみたい。 疎水は歩道と車道の間を流れている場合がほとんどです。 大昔はこの疎水の水は馬の水のみ用に使われていたとか。 現在はもっぱら町の美化・観光用。 川がゆるゆると流れている町はなごやかで、美しいし、夏は子どもたちがこの疎水を裸足で歩いたり(娘もよくしてました)、ときにはおとなも縁にすわりこんで、足を冷やしています。 では、この水の源泉はどこかというと。 フライブルクの中心を東西に流れるドライザーム川 posted by (C)solar08 そう、市を真っ二つに分けるように、東から西に向かって流れるドライザーム川の水です。 「黒い森」の山々を源流とするドライザーム川の水のほんの一部が、街中に引き入れられ、いくつもの疎水に分岐されて歩行者ゾーン内を流れ、ふたたびいっしょになって、ドライザーム川に戻るのです。ドライザーム川の水は最終的にはライン川に流れ込みます。 ですから、疎水の水は元々は「黒い森」に源泉をもつわけですし、最後にはライン川に流れ込むのです。 疎水は土地の勾配を利用しているので、ポンプは使われていません。雨がふらない日が続いてドライザーム川の水量が減ったときには、疎水の水も干上がることもあります。 今日のドライザーム川はここ数日の雨や雪のせいで水量が多いのですが、疎水の水量は調節されるので、疎水があふれることはありません。 ドライザーム川は、町の真ん中を流れる川にしては自然に近い姿を残しています。川床も石、川岸はヤナギなどの木が豊かに生えています。 春・夏には土手の斜面は日光浴をする人でにぎわい、川沿いの自転車・歩行者道もサイクリングや散歩にかっこうの道。最近は土手にオープンカフェもできました。 今日、写真をとろうとして橋から見たら、 ドライザーム川のまん中に立って餌をさがすサギ posted by (C)solar08 サギが川の真ん中で石の上に立って、一心に川を見つめておりました。昨日も同じところに立っていました。この川にはカワガラス(カラスの仲間ではありません、日本にもいます)やカワセミ、セキレイも訪れます。 さて、このドライザーム川から分岐された水はいきなり疎水に流れ込むのではなくて、いったんいくつかの、疎水よりも大きな用水路(運河)に流れます。そこから、一部の水が疎水に入るわけです。 用水路といっても、現在は用水路として使われているわけではなくて、これもいわば観光用。下町ののどかな風景の一部として溶け込んでいます。 フライブルクの旧市街地を流れるかつての用水路 posted by (C)solar08 写真の用水路は歩行者ゾーンのすぐわき、Fischerauという道沿いに流れています。 男の子と女の子の彫刻がかわいいでしょう?鉄分を含む地元の砂岩でつくられたもの。男の子は、長靴から水を出そうとしている光景。 この用水路にもときどきマガモのカップルがやってきます。 昔はこの川沿いに漁師が住んで、川で漁ってきた魚の生簀に使ったとか。だから、道の名前がFischerauです。 となりの通りには、かつては皮なめしの工房が並び、清潔な運河の水をなめしに利用したのだっそうで、通りの名前(Gerberau)がそれを物語っています。 今ではGerberauはアンティークショップや画廊、おしゃれなレストランが並び、Fischerauには日本の家具やたたみ、瀬戸物、着物もどきのキモノ、障子もどきのついたてなどを売る「きど」というお店もあります。 フライブルクの日本家具・小物店「きど」 posted by (C)solar08 ショーウインドウを撮ったので、向かいの建物やクリスマスツリーが反射してほのかに写ってしまいました。 ドイツに来る前にしばらく住んでいた土地でも、「家内川」といって、街中にフライブルクの用水路と似たような川が流れていました。でも当時は残念ながら生活排水が流れ込み、美しいとは言いがたかったのが残念です。今はどうなったかなあ。なつかしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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