私の所有時計の中で、最も好きな時計の一つが
オーガスト・レイモンドの「ブギ」です。従来持っていた黒文字盤モデルに加えて、この度、白文字盤モデルも入手してしまいました。同じ時計を色違いで二つも所有・・・、変態ですね。(笑)
使われているムーブメントは、ユニタスのCal.6425というオールドストック・ムーブメントで、13リーニュのスモセコ三針6振動手巻きです。外観上は、大きさが違う以外は例のユニタス6498とソックリな形をした汎用ムーブメントです。
時計自体の大きさは直径36mmですから、今の時流から考えると少し小さめですね。でも慣れれば、さほど違和感はありません。デザイン的には、とてもオーソドックスで、お世辞にも「息を呑むような質感」という訳ではないですが、ガラスも裏表ともにサファイヤですし、なかなか良いです。これで定価10万円ですから、十分にお買い得でしょう。
さて、ユニタスと言えば
オーガスト・レイモンドのムーブメント製造部門が独立したエボーシュメーカーです。そこで60年代に製造されて、その後のクォーツショックの中で打ち捨てられていた機械が、現代の
オーガスト・レイモンド社の時計に搭載されていると・・・。言わば、ムーブメントの里帰りみたいなものです。今となってはユニタス社は消滅し、その名残りはETA社で継続生産れている二種類のムーブメント(Cal.6497/6498)だけになってしまいました。
いやぁ、何てロマンチックな話でしょう。長い時計の歴史の中の一場面を、たった10万円の時計の中に見ることができるのです。イイですねぇ。
このブギのような時計は、他に二つあることを確認しています。一つは、Durowe製オールドムーブ入りのLacoで、もう一つはオールドETA製ムーブメント入りのエテルナです。これらを揃えることは、私の目標の一つでもあります。