テーマ:機械式腕時計を語ろう(346)
カテゴリ:ドイツ時計情報
ドイツ第二の高級時計メーカーであるグラスヒュッテ・オリジナル社が、同社初のドイツ国内ブティックをスタートしたそうです。 「Glashütte Original Opens First Boutique in Germany」 場所は、本社のあるグラスヒュッテ村が属するザクセン州の州都ドレスデンだそうです。ブティックと言えば販売店ですから、ド田舎のグラスヒュッテ村より、都会のドレスデンの方が適しているという判断なのでしょう。 それにしても、あのグラスヒュッテ・オリジナルほどのブランドが、今まで本国ドイツ内に専門店=ブティックを持っていなかったという方が意外です。グラスヒュッテ・オリジナルと言えば、あの派手好きのスウォッチ・グループのトップ・ブランドの一つですし、東独時代も存在し続けたグラスヒュッテ時計メーカーの中心的後継者です。それにも関わらず、本国内にブティックがなかったというのは、色んな想像を掻き立てます。 ご存知のように、グラスヒュッテ・オリジナルが属するスウォッチ・グループは、基本的に日本勢によるクォーツショックからスイス時計業界を救うためにスタートした企業グループです。それが勢力拡大の過程で手中にしたのが、東西ドイツ統一によって民営化されたGUB社=グラスヒュッテ・オリジナルな訳ですが、元がスイス時計業界のための企業グループだっただけに、グループ参入後のグラスヒュッテ・オリジナルは、高級ブランドとしての位置付けはあったものの、グループ内でも比較的不遇の扱いを受けていたのかも知れません。 或いは、何年か前にグラスヒュッテ村を襲った洪水災害で、グラスヒュッテ・オリジナルの工場も大きな被害を受けたと聞いていますが、それもブティック開設を遅らせた遠因だったのかも知れません。 ドイツの老舗宝飾店ヴェンペの存在も影響したように思います。ヴェンペは戦前からドイツ時計業界に大きな影響力を持っていたと聞きますし、現在でも高級宝飾店として確固たる地位を築いていますから、高級な雰囲気のお店での高級時計の販売はヴェンペに任せておけば良いという雰囲気もあったのではないでしょうか。 何れにしても、今回の動きはグラスヒュッテ・オリジナルのブランドとしての進展を示す事柄でしょうし、経済が低迷する欧州においてドイツだけが絶好調という現在の世相を良く表していると思います。 興味深いニュースでした。 [興味深い時計ブログは此方 Click!] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.11.06 17:17:46
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