勝率5割を越せない巨人のことなど ほったらかして
気の抜けたサイダーの飲み比べをしているような国会のことなど ほったらかして
楽しい話を一つ
時折 折々に自筆で手紙をくれる男性がいて
それが 太字の万年筆で書かれていて
とても伸びやかで 封を開けるだけで楽しくなります
最近まで 上手に万年筆で書けてうらやましいな と思っていた だけだったんですが
1年以上も前のことになってしまいましたが
右手のひらを 他所の犬に噛まれてから
後遺症で握力が落ちたまま回復せず
筆圧のいるボールペンで筆記していると
知らない間に ポトッと落としたりします
そこで 憧れでもあった万年筆を使用することにしました
現在 できるだけ軸の太い万年筆を使用しています
メモ用に細字を2本 これは国産1本とペリカン1本 です
普通の書類用に太字を1本 これは国産 と3本態勢だったのですが
母が死んで あれこれしているうちに 太字用の万年筆が行方をくらまして
どうせ ひき散らかした机かテーブル 或いは どっかのバッグに入っているだろう
と思い きちんと捜さなかったのです
ところがそれが必要になり 心当たりを捜したのに見つけられなく
ついに 新しい太字用の万年筆をもう1本ネットで購入することになりました
到着を 今か今かと待ち構え
無くした万年筆のことは やがて忘れ去る思い出の1コマになろうとしていた矢先
ふと
何かファイルのうすい表紙のようなものにさしたままで はまり込んでいるのでは
と 感じました
でも まあもう1本くることだし と 忘れようとしたとき
捜したはずのテーブルの上に目がいって
A4の大きさの黒いダイアリーの表紙が真ん中でふくらんでいることに気がつきました
そうなんです
太字用の万年筆はそこに挟んであったのです
うん それでは もう1本は 必要なくなったので注文はキャンセルしようか
と 心の中でつぶやくと
心にもないことを そんな気は さらさらないくせに
と もう片方の心が 笑いながらささやきました
そうでした
大きすぎて 自分には重いかなとか
太字というけれど どの程度の太字だろうかとか
注文してからもう1週間は経つのですから 万年筆への夢は勝手にふくらんで
もはや 心待ち状態です
やっと 今日届くらしいです
その万年筆が届いたら 件の男性に 手書きで返事を出そうか
とか 妄想は拡がりますが
いやあ そんな勇気は無い というか そこまで 面厚くは無いつもりであります
早く 来い来い モンブラン・マイスターシュテュックです