精神論なんてあとでいい。
武術の正しい動きをもってすれば、日常動作において自分の体の負担を軽減することができる。その効率的な動作を様々な職種を通じて人のために役立てていく。そうすれば、私は充分世の中のためになると思う。武術の存在意義について、いろいろ精神論や哲学などをひっぱりだして、ややこしいことを言う人もいる。しかし、私は声を大にして言いたい。武術は、その技術そのもので世の中の役に立てるのだ!と・・・。現代武道の人たちは、技を鍛える過程で、礼儀や精神的な強さを身につけるのだ!と声高に叫んでいるが、私はそうは思わない。なぜなら、私も学生時代、現代武道を学んでいたが、試合に勝てばそれでいいとか、強いからといってあからさまに稽古を怠けていたり、試合中に逃げ回ったり、力と体重でごりおししたり、先生がいないからといってキャッチボールをはじめたりするような連中を数多く見てきた。どうやって、彼らから精神論や哲学を持って社会有為な人材が出てくるのだろうか?武術を学ぶ者の中にも、いろいろおかしな言動をする者も多いが、武術には、武道が「道」「道」と叫んできた影で置き去りにしてきた豊富な身体技術がある。それらを継承している武術愛好者たちが、その身体技術を世の中のために役立てるように応用し、努力研究すれば、世の中の人たちは、そのとき初めて武術の精神論や哲学を評価してくれるだろう。