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近藤紘一著、文春文庫の書名です。 近藤さんは1940年生まれ、早稲田大学仏文科を卒業、産経新聞に入社1971-75年特派員としてサイゴンに滞在しました。1975年は南ヴェトナムが北ヴェトナムに負け、サイゴンが陥落した年です。 近藤さんはその北による南の解放(北の表現)を現地で見て、1ケ月後に日本に戻りました。彼は1971年にサイゴンに行ってから現地で結婚しています。奥さんと連れ子の娘さんはサイゴン陥落の寸前に日本に行きました。 本書はその奥さんと娘さんとの日本における生活を中心に、ヴェトナムについて書いています。 少し前に書いた「ベトナムのこころ」の皆川一夫さんは外務省の在外研修生で、サイゴン陥落前後の時期サイゴンにおられた人です。 皆川さんといい、近藤さんといい、本当にヴェトナム人の生活に溶け込んだ経験を書かれています。先日書いた司馬遼太郎は、南ヴェトナム陥落の後サイゴンに行きいろいろの経験をして、近藤さんに世話になったと述べています。 これらの本を読んで、1970年代半ばのヴェトナムのありようを体感しています。 それから35年、私の経験したヴェトナムとホーチミン(サイゴン)は外見は大いに変わりつつあります。現在は、皆川さんも、司馬さんも、近藤さんも予測のできない状況にあるでしょう。もし、彼らが現在サイゴン(現在はホーチミン)に行ったら、どんな感想を語るでしょうか? ものすごく興味があります。 本題の『サイゴンから来た妻と娘』すごく、面白い、すばらしい本です。細かいことは書きません。読んでください。司馬さんの本より面白い。ちなみに、この本は1979年大矢壮一ノンフィクション賞、1980年上田ボーン賞を受けています。 残念な事に、近藤さんは1986年胃がんで早世しています。わずか46歳でした。お酒がものすごく強い人だったようです。 皆さん、是非読んでください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.05.16 10:08:23
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