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カテゴリ:トラばなし
<サマリー>
奈良学園の合同定期演奏会は、奈良学園登美ヶ丘中高と奈良学園中高の両校の室内楽部の生徒、および卒業生の皆さんにより年1回開催される催しです。昨年ブランクを越えて記念すべき第10回を開催し、今年は通常の開催時期であるゴールデンウィークでの感染拡大を避ける形で8月の開催となりました。困難な条件下でも演奏会を継続する生徒さん達と先生方により、素晴らしい演奏会となりました。 《第11回 奈良学園室内楽部合同定期演奏会》日時2022年8月14日(日) 開演14:30(開場14:00) 場所 はばたきホール(生駒市北コミュニティーセンターISTAはばたき) (近鉄けいはんな線北生駒駅より徒歩10分) 入場無料(室内楽部員父兄に限定) 指揮 上田 風友 演奏 奈良学園登美ヶ丘中高室内楽部 奈良学園中高室内楽部 合同演奏曲目 ドビュッシー/ビュッセル 小組曲(全曲) ・ドビュッシー:小組曲(全曲) (6回目) 1.5Pult中 2Pult 仏弓、Extender未使用 座奏 <ホールの紹介> ホールは第9,10回と同じく、生駒市の公共施設である「北コミュニティーセンター」のメインホール「はばたきホール」です。 ホールは客席数450という小ホールサイズですが、ステージは思ったより広く、特に間口(左右)が広い作りとなっています。奥行きはステージ・客席ともあまりないため、金管楽器とかの音はストレートに返ってきそうな感じ。 また、舞台床は「エンドピン直差し禁止」でしたので、プロ含めオーケストラや低弦を含む音楽演奏会に使うには、ちょっと考慮がいるホールとなります。 <観客数> 450名収容のホールにコロナ対策で客席数を更に減らしていることから、実質の定員は大体200名くらいでしょうか。まだまだコロナの不安が拭えず一般の集客は憚られる状態のため、今回も「父兄中心、事前連絡制」の制限された入場システムとなりました。お客様は前回と同じく100名弱程度でしょうか。とはいえ、昨年の「父兄限定」から「関係者」にまで入場対象が広がったことは希望が持てる進歩です。せっかくの素晴らしい演奏会なので、コロナが収束したらぜひ大きな集客、広報をして多くのお客様に観てほしいと思います。 <オーケストラ編成、並び> 奈良学園は幼稚園から大学まであり、その中でも中高は一貫教育ということで、二つの学園(郡山と登美ヶ丘)それぞれに中高通じての室内楽部が存在しています。管弦楽器があるため、両学校の中高生が合同すると40名くらいでしょうか。そこに卒業生(大学や社会人のオーケストラ・吹奏楽で活躍されている方もいらっしゃるようです)や助っ人が加わることになります。昨年よりは制限が緩くなったのか、編成もやや大きくできたことから近代曲(とはいえ小編成ものですが)の選択も可能になりました。弦楽器も昨年よりはバランスが取れてきて 11-10-4-5-3(人)という編成のようでした。どうしてもヴィオラやコントラバスは、楽器のサイズ上ジュニアの体格だと無理があるかもしれません。特にヴィオラはやはりヴァイオリンを習ってからの移行が多いでしょうから、難しいポジションかもしれません。 当然ながら生徒さんにはできるだけ出てもらいたいですから、管楽器は指定パートを重ねたり、別種楽器での代用も有り、という形です。これは教育上のこともあり仕方の無いところです。結局はFl4,Ob2,Cl4,Fg2,Hn3,Saxパートの方はファゴットの楽譜を演奏して加わってもらっていました。ダブルリードとホルンの一部に大人がヘルプで入っています。 普段の生徒さんへの指導だけでなく、この演奏会に向けてOBやエキストラを集め、ホールとの調整、移動手配、さらには今年はコロナ対応で日々の発症者、濃厚接触者の発生で対応オプションを考えながらの舵取り。先生方のご苦労がいかばかりかと察せられます。今年も色々なトラブル、課題がある中さらに難曲に取り組まれて成果を出されていること、ただただ凄い、としか言いようがありません。 <コントラバス編成、並び> コントラバスの生徒さんは、お二人。それに今年大学進学したOGさんが一名。現役二人は中3と中1ということで、1年の方はまだ楽器を始めて間もないため、ドビュッシーはOGさんと上級生、私3名での演奏、各キャンパスの部による演奏は、現役お二人もしくはOBさんと現役1名での演奏が中心でした。 配置はチェロ外の通常配置(1st-2nd-Va-Vc, Vcの後ろにCb)で、Cb雛壇無しのステージ上に3人横一列。譜面台はこのご時世もあり、一人1本いただけました。 ホルンは上手(コントラバスの隣)、奥行きが狭いホールのため、Timpは下手奥に陣取りました。 生徒さんは立奏、大人(私)は座奏(持参の椅子)ということで、ベースの置き椅子無しは今回もやむなしです。 <メンバー詳細> 中学生の二人は、各キャンパス単位の単独演奏に出演。OGさんは中学生が出ない側の単独演奏と、合同演奏に、そして私が合同演奏のみに出演でした。 私は一番奥での演奏。 中一の方とは演奏はご一緒できませんでしたが楽屋が同じだったこともあり、昨年もご一緒した中三の子と一緒に弾き方の質問、楽器の相談など、いっぱいお話しが出来ました。上回生の子はやはり上回生と言うことで積極的に話しを進めてくれて、まだシャイな一年生に上手くつなげてくれていました。良いコンビの二人に見えました。 (後日談ですが、演奏会後弦の張り替え方を伝えに学校にお邪魔して、さらにお二人とはコミュニケーションを図ることができました) <指揮者、ソリスト> 合同演奏の指揮は登美ヶ丘顧問の上田風友先生。そして各学校の演奏は、それぞれの学校の顧問の先生と生徒さんの指揮によるものが中心となっていました。普段の練習も上田先生とOBの方で行われていたようで、ようやくこちらも通常に戻りつつある感じがします。できればOB/OGの方に多く参加してもらいたいものです。 <曲目別感想> まずはリンク先の学校公式ページでの演奏会報告をご覧ください。 https://www.naragakuen.jp/tomigaoka/t_jun/blog/ids/007503.html 年月が経ってリンク切れ起こした時用に、こちらに全文を引用しておきます。 ----------- 8月14日、第11回奈良学園合同室内楽部定期演奏会を開催しました。この演奏会は、奈良学園中高と本校の室内楽部及び両校のOB・OGとの合同演奏会で、例年はゴールデンウィークに開催していますが、コロナ等の影響で8月に時期を変更しての開催となりました。様々な制約の中、本番を迎えられたのも一重に活動を支えていただいたご家族の皆様、OB・OGの皆様、そしてご協力いただいた多くの方々や両校室内楽ファンの皆様のお陰であり、練習を重ねてきた生徒たちとともに心からの感謝を申し上げます。 演奏会は三部構成となっており、本校室内楽部は第1部で「ブラック・フォレスト序曲」「人生のメリーゴーランド」「魔女の宅急便メドレー」「Dragon Night」「名探偵コナンメインテーマ」の4曲を披露し、奈良学園中高の演奏を経て、最後はC.A.Debussyの「小組曲」を両校とOB・OG合同で演奏しました。 本演奏会は、まさに両校が大切に紡いできたハーモニーが織りなすコンサートといえます。迫力ある大合奏、じっくり聞かせるソロパートなど優雅で心に響く音色は圧巻で、両校部員一同まさに心を一つにして、最高のパフォーマンスを披露してくれました。 ----------- もうまさにこの記述のとおり。さらに言えば、この「小組曲」という曲、フランスの作曲家の中の曲でもコンパクトにまとまっていて編成も手頃なことからよく社会人オケや大学オケで採り上げられるのですが、実際やってみるとやはりフランスものなので、ドイツ風のサウンド、曲作りをしようとするとあちこちで齟齬ができて「らしくない」出来となり、苦戦を強いられる曲だったりもします。 しかし、生徒さん達は「ドイツ風」が染みついていない分逆に順応性が高く、結局全楽章それらしい雰囲気を作った演奏を作り上げてしまいました。 若いって素晴らしいです。 学校のブログより転載させていただきました。 アンコールは今年も定番の、両校校歌の演奏。3回目とあって(楽譜も家の楽譜棚に配備)、登美ヶ丘さんのはできるだけ軽快に、郡山さんのはやや荘重に、という感じでだいぶ曲を覚えてきました(笑)。 <打ち上げ> もちろん中高生ですので、生徒の皆さんは打ち上げなかった(と思います)。 昨年訪問した猿丸神社さんは、さすがにお盆時期で蚊も多そうですしなにより暑いので、参拝ご遠慮させていただきました(笑)。 <次回> とにかく来年はコロナが収まり、いつものようにGW期間での第12回演奏会が開けることを心から祈ってます。来年にはコントラバスの二人も上手になっていることでしょうし、私の出る幕はなくなっているかもしれません。まぁ、本来は生徒さん達だけでやるのが理想の姿ですから、その時は客席から拍手を贈っていたいですね。 (2023/2時点で、次回開催は2023年5月の通常開催に戻るとの連絡が届きました。また参加させてもらうことになりそうです!) 過去の演奏経歴です。通算378ステージ目。■ドビュッシー:小組曲(全曲演奏のみ) ・1987/11/06 京都府立医科大学交響楽団/加藤 完二 ・1995/04/15 東京グリーン交響楽団/川本 貢司 ・2000/04/23 秦野市民交響楽団/長野 力哉 ・2012/2/19 墨染交響楽団/池田 俊 ・2018/12/8 滋賀医科大学管弦楽団/岩井 一也 ・2022/8/14 奈良学園中高室内楽部/上田 風友 奈良学園室内楽部さんでの演奏履歴です。 ・第9回 奈良学園合同定期演奏会(チャイ5、1,4楽章:2019/4/29) ・第10回 奈良学園合同定期演奏会(ジュピター1楽章:2021/5/3) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.04.09 10:42:09
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