|
カテゴリ:トラばなし
<サマリー>
以前から名前だけは存じ上げていたオーケストラにようやくご縁があり、出演させていただくこととなりました。しかもいきなりトップ奏者のようです。なのに曲は初めての曲がアンコール含めて2曲。練習回数があまりとれずドキドキの本番でしたが、なんとか無事終えることができました。学生時代にメンコン演奏して以来、ようやく4大Vn協奏曲(ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキー)をクリアすることができました。 《プリモパッソオーケストラ 第21回演奏会》日 時:2022年8月27日(土) 演奏曲目別の私の演奏位置と使用弓、演奏回数は以下のとおりです。 ・ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 (初) Breitkopf旧版 1.5Pult中1Pult Out 独弓、4弦(extender-C) ・ベートーヴェン:交響曲第2番(5回目)Breitkopf旧版 1.5Pult中1Pult Out 独弓、4弦(extender-C) (アンコール) ・ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」序曲(初) Breitkopf旧版 1.5Pult中1Pult Out 独弓、4弦(extender未使用) <ホールの紹介> 長岡京記念文化会館は、京都近郊のホールとして小規模(大ホールで定員約1,000名)でありながら響きが良く、にもかかわらずステージ上でも演奏がしやすい、と言うことでアマチュアオケに大変人気のあるホールです。竣工は確か私の学生時代(卒業前後にできて間もないこのホールに乗せてもらいました)なので、もう30年以上経っていることから内装・調度類はさすがにちょっとくたびれた感がありますが、搬入などの動線の短さや駐車場の広さ(駅からは少し遠いですが、大型学期運搬にとって重要)、1年前から予約可能などの優位性で、高い稼働率を誇っています。 京都市内の似たサイズのホールであった、京都こども文化会館が閉館したこともあり、ますます重要なホールとなっているようです。 <観客数> まだコロナの余波が続く中、客席も一つ飛ばしと自由、というオケが混在する状態。もともとキャパがそんなに大きいわけではない、ここ長岡京のホールでは、そこそこの数入っていただけるとそれなりに客席が埋まった感があります。今回は約300名前後でしょうか。いい感じにお客様に入っていただけていたように思います。 京滋でよく拝見する、最前列に陣取られるパンクファッションのおじさま(もうすぐおじいさんくらい)、今回もお友達連れ?でいらしてました。いつもありがとうございます。 <オーケストラ編成、並び> 「最初の一歩」が名前にもなっているこのオーケストラ、京都プレザントさんと同様「初心者にも門戸を開いたオケ」というのがコンセプトとなっています。とはいえ弦楽器はやはりメンバーの人数も少なく、技量的にもオーケストラの曲を弾くのが大変な方がいらっしゃるということで、エキストラの投入で対応となります。特にコントラバスは慢性的な人手不足で少々初心者?でもすぐに団員のクチもあるため、初心者向けオケにたどり着く前にどこかのオーケストラに入団される方が多いと推測します。というわけで、今回のコントラバスは全員エキストラでの対応となります。 コロナ下ということもあり、弦楽器は薄め、高音から9-7-5-6-3(人)とVcを除くと比較的バランスが取れた形です。初心者オケはどうしてもVn/Vcの方が多くなりがちで(お教室がこの二つに集中するのと、やはり座って弾くのが高齢者には楽か。)、オクターブ下で同じ音を弾くことが多いコントラバスにとってはなかなか大変です。 弦の配置はVaが外の近代配置(下手から1Vn,2Vn,Vc,Va)。コントラバスはVcの後ろ、上手側でした。管楽器はベートーヴェン中心と言うこともありひな壇を減らし、Hnは下手奥、上手Cbの隣にTp、奥にTimpとし、木管2列のみ雛壇上になりました。 <コントラバス編成、並び> コントラバスは3名。一列横隊のひな壇なしです。 譜面台は1人一本。楽譜がよく見え演奏に集中できて助かります。(特に初めて演奏する曲のように、色々神経使うときは) <メンバー詳細> 前述したようにコントラバスパートは、全員エキストラでの編成。コンミスの方からのトップ指名でのお話しでしたので、謹んで一番前に座らせていただくこととなりました。(悩まなくてよいのはよいのですが(笑)) その他のメンバーは、アンサンブル都のHさんと、私と同時に声がかかったうちの嫁さん。先日草津チェンバーさんでアンサンブル都のもう1名の方とご一緒させていただいたので、これで都さん全メンバーと知り合いになれました。ちょうど5弦を購入した直後でもあり、ベートーヴェンに5弦投入するかどうか悩んだのですが、今回は拡張領域の音が少なくHipShotで十分対応出来そうなのと、トップ担当で楽器を弾くこと自体に神経を取られすぎると危ないので、弾き慣れた4弦でのステージとなりました。 けど、このあとベートヴェンを5弦で弾く機会が続き(すでにYouIさんで5番、そのあとJapan Festival Orchestraの関西リハーサルで第9を演奏済、このあと3番、7番の予定あり)、「5弦でベートヴェン全交響曲コンプリート」を達成するという(どうでもいい)目標にはもったいないロスでした・・ <指揮者、ソリスト> 指揮者は最近あちこちでお名前を拝見するようになった阪部先生。Vn/Va、しかもバロック奏法のご出身ということで、古典曲の解釈等色々教えていただけることが楽しみな先生です。今回も奏法自体はモダンでしたが、キリッとしたテンポ設定とバランスのアプローチをされてました。できれば対向配置で演奏してみたい、と思いました(そのためには2ndVnが結構難しくなるので、初心者オケだとちょっと大変かな・・)。 ソリストは協奏曲としては珍しく、オケのコンミスの方が独奏に立ちました。とはいえ当オケのコンミスはアマオケではありながらゲストのプロコンミスということで、そこは安心してお任せすることができます。ちなみに石田先生、他にも京都プレザントオケや墨染交響楽団のゲストコンミスもされており、以前にも増してこれからお世話になる予感がしています。 <曲目別感想> ・ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 コロナ禍が続くこともあり、まだオケの編成が小さい曲が取り上げられる傾向が強いようです。逆に言うと普段大編成が取れるオケでは採り上げられにくい曲でエキストラの機会がある、ということになります。 3大とか4大ヴァイオリン協奏曲として必ず名前が挙げられるベートヴェンの協奏曲、ソロの難度(技巧と言うより音楽的な)とオケの難しさから、採り上げられることはメンデルスゾーンに比べるとだいぶ落ちるのですが、今回長い演奏年月を経てやっとステージでの演奏がかないました。 実は第1楽章だけは学生時代の「団内発表会」で独奏をフルートにした編曲版を演奏したことはあったのですが、やはり全曲、オリジナルというのは感慨深いです。しかもそれがいきなりトップで、ということで結構緊張して臨むことになりました。 ちょっとソロとタイミングを取るのに難しい部分もあるのですが、まぁ本番は何とかいったかな・・というところです。 これでベートヴェン、メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキーといういわゆる4大Vn協奏曲はクリアとなりました。(5大となると、これにブルッフかな?これは何度か演奏しています) 演奏機会を与えてくださったソリストで当オケ・コンマスでもある石田さんに感謝です。 ・ベートーヴェン:交響曲第2番 2曲目のベー2、演奏回数としては5回目ですが、実はベートヴェン交響曲9曲コンプリートする際には一番最後まで残った曲でした(2005年清水フィル第19回演奏会にて) かつては4番以上に演奏機会が少なかったのですが、ここ数年で急激に演奏機会が増えました。かつては認知度低い割にかなり難しい(内容的には「ほぼ」ガチ・ベートヴェンのノリ)ために敬遠されていたのではないかと思いますが、これもアマチュアの演奏技量向上のせいでしょうか、田園、8番などと同様偶数番がアマオケでかなり採り上げられるようになった中で、レパートリー化してきたものと思います。 ちなみにここまででの「不滅の9曲」演奏状況です。 (全曲演奏のみ) 第1番 6回 第2番 今回で5回目 第3番(英雄) 7回 第4番 5回 第5番(運命) 8回 第6番(田園) 4回 第7番 4回 第8番 5回 第9番(合唱) 11回 まだまだ「意外や」7番が少ないですが、「5周目」のコンプリートが見えてきた感じです。今回の演奏は比較的キリッとしたすっきり演奏を目指されていたようなので、3番以降の「前触れ」としての重厚演奏に比べると疲労感は少なかったですが、それでも初期の音符の多さに加えてベートーベンらしい重厚さが見えてきた2番特有のしんどさは健在で、演奏後はしっかり疲れました。 アンコール ・ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」序曲 オール・ベートーヴェンの2曲プログラム、まぁ協奏曲が比較的長いとは言えちょっと演奏時間短い?と思っていたらアンコールでこれが来ました。いや、これは普通に前プロと言っても良いでしょう、という立派な序曲がやってきました。 けど海外(得にアメリカあたり?)では交響曲をトリにすることには必ずしもこだわらず、盛り上がる序曲(序曲は普通は次に始まるオペラ本編に期待を持たせるように盛り上げて→開幕となる)を置くとのことですが、こういう快速で短めの序曲で締める、というのもなかなか良いかもしれません。(練習する方は大変ですが) 私も意外とやっていそうでやっていなかったベートーヴェンの序曲を経験することができ、楽しいアンコールとなりました。 コイン駐車場が遠く、また平日の京都練習(そして練習場には階段移動が必須)ということでなかなか練習にお邪魔できないのが残念ですが、素敵なメンバーを擁していることもあり、これからもご縁があることを祈っています。 <打ち上げ> コロナもだいぶ共存的な対応も出来るようになり、打ち上げも有志で分散して、と言う対応でのありがたいお誘いをいただいたのですが、嫁と2台の楽器を積んだ車と言うこともあり、残念ながら見送りとさせていただきました。残念。 <次回> こちらのオケは年一度夏の定期公演と冬のファミリーコンサートが活動の主軸のようなので、次回は2022年12月のファミリーコンサート、そしてその次は7月に定期演奏会とのこと。定期演奏会の曲目は「スコットランド(交響曲)」を含め、オールメンデルスゾーンプログラム、というチャレンジングなもののようです。なかなか弦楽器初心者には厳しい曲が並びますが、頑張ってほしいものです。 過去の演奏経歴です。通算379ステージ目。 ■ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ・2022/8 プリモパッソオーケストラ/阪部 慎太郎/石田 文香 (Breitkopf旧版) ■ベートーヴェン:交響曲第2番 ・2005/9 清水フィルハーモニー管弦楽団/藤崎 凡 ・2011/2 墨染交響楽団/滝本 秀信(Bärenreiter新版) ・2016/11 高槻室内管弦楽団/寺坂 隆夫/大澤 俊之 ・2018/11 大阪工業大学管弦楽団/江川 優里(Breitkopf旧版) ・2022/8 プリモパッソオーケストラ/阪部 慎太郎(Breitkopf旧版) ■ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」序曲 ・2022/8 プリモパッソオーケストラ/阪部 慎太郎 (Breitkopf旧版) プリモパッソオーケストラでの演奏履歴です。 (初) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.04.09 21:33:29
コメント(0) | コメントを書く
[トラばなし] カテゴリの最新記事
|