イムリ【5】　三宅乱丈著

これはーーーーーっ！！
何なんだこの惨状は。。。

書店で表紙を見てまず愕然としてしまいました。
頭からずっくりと血を浴びて呆然と佇むデュルク。
何という哀しい瞳。。。

恐ろしい、けれど何て人を引き込む迫力のある表紙でしょうか。
もう矢も盾もたまらず、速攻家に帰って一気読みです。

内容も、表紙の示すとおりデュルクにとってあまりにも残酷な試練の巻でした。
この先、デュルクの宿命はかなり血塗られた茨の道になるだろう事が予見できてかなり辛い、と同時に何とも言えないゾクゾク感をも感じてしまいました。

この絶望的なまでにカーマに有利な状態をデュルクはいったいどうやってひっくり返すのか、その時ラルドはどう動くのか、いまだに真意が見えないガラナドは？
そして、とても無邪気な反面、感情的には未成熟でかなりカーマ的な思考のミューバ。このままではミューバを裏切らないわけには行きそうに無いデュルクとの関係がどう変化していくのかも気になるところです。

｢信用することが出来ない民には支配するしか道は無い」
何とも不毛な考え方ですが、カーマのあり様を端的に表した台詞です。
それとは真逆のスタンスを取るイムリの力がだんだんと露わになっていく様を、固唾を呑んで見守っていきたい思います。